劇場公開日 2018年9月7日

「W主演二人が一人二役を熱演!」累 かさね 星水松 愛菜さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5W主演二人が一人二役を熱演!

2020年5月9日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

難しい

スゴいものを観た。
土屋太鳳さん、芳根京子さん共に内からほとばしる狂気が画面を通して強烈に伝わってくる。

整理すると、容姿端麗ではあるが、演技力皆無、高飛車で性根が腐ってる丹沢ニナ、醜い容姿にコンプレックスを持ちながらも抜群の演技力があり、それを披露して喝采を浴びる喜びを徐々に感じていく淵累。

これを太鳳さん演じるニナをA、累をB、芳根さん演じるニナをC、累をDとすると、劇中キスをする毎にAD、BCで入れ替わり、その効力は12時間…といった具合。

このニナと累の演じ分けは、芳根さん(CD)の方が巧かったかな。序盤、太鳳さんの方は、"あれ、今どっちだっけ?"って思うときもあって。ただ、終盤のダンスは超圧巻!
こうやって書いておきながらなんですが、太鳳さん芳根さんを比べる事自体、ナンセンスだという風に感じてきました。

太鳳さんはあのキラキラした感じのハツラツ然のイメージが強くて苦手でしたけど、この映画でのダークキャラは非常に良かったと思います。運動神経良いみたいですし、ハードなアクションモノとか今後、出てほしいなあ。
芳根さんは、朝ドラのときはあまり印象に残ってなかったのですが、図抜けた美人という訳ではなく、少し地味な若手女優さんというイメージだったのですが、ここ最近のドラマ(コタキ兄弟の四苦八苦やTwo-weeks)観てなんかいいなぁと思い、出演してる映画の観賞に至った次第です。うん、もっと他の作品も観てみよう。

圧倒的存在感を放つ、かつての大女優役の壇れいさん、ニナと累を巧く取りなす曲者マネージャー役の浅野忠信さん、この二人も素晴らしく完成度の高い作品に押し上げた要因になってます。

他のレビューでも多々あったので、ここでは詳しく掘り下げませんが、―0.5にしてるのは新進気鋭の演出家役の輩がいただけないから。芝居の為とかいって女優に手ぇ出してんじゃねーよとか思たし。(それはそーいうストーリーだからしょうがないのだが)

ラストシーンはどう描いてもありだった。
ニナのバックショットで終わったんだけど、そこから、回り込んで太鳳さんが笑みを浮かべてのアップだとBがAを侵食した(Cが落下事故のときに絶命した)ととれるし、険しい表情の芳根さんであれば、ABは生きており、『ニナ』の奪い合いは続く…(続編示唆演出)となって、そーいう意味でラストは3パターンどちらでもありかなと。

星水松 愛菜