劇場公開日 2018年4月21日

「何度も繰り返し鑑賞したい作品。けれど、万人におすすめできる作品では...」リズと青い鳥 dskさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5何度も繰り返し鑑賞したい作品。けれど、万人におすすめできる作品では...

2018年5月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

難しい

何度も繰り返し鑑賞したい作品。けれど、万人におすすめできる作品ではない。

主人公と友人の感情のもつれを描写しているが、それによって事件が起きるわけではなく、決定的な対立があるわけでもない。主人公は一人で悩み、音楽を通じて答えを出し、友人との関係を修復する。それだけ。
ストーリーだけを追うと、かなり地味。主人公や友人の心の葛藤(およびその描写)に興味がない人には退屈だと思う。
この作品にカタルシスを求めるなら、終盤のオーボエ演奏とそれ以降の流れがそのタイミング。でも、そこに至るまでの積み重ねに共感できていなければ、感動するのは難しいだろう。

自分としては、映画館で見て、またすぐに映画館で鑑賞したいと思った。あれだけ繊細に描写を重ねているのだから、一度見ただけでは見逃してたものがいろいろとあるはずなので。それに、全体の構成を知った上で見直すと、新たな発見もあるに違いないし。

原作からの改変は残念。もちろん、この映画は完成された素晴らしい作品だと思うけれど、それはそれとして、原作に忠実な映像作品も見たかった。

dsk