劇場公開日 2018年2月23日

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「欲望むき出し」The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ ジンジャー・ベイカーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5欲望むき出し

2018年4月22日
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鑑賞方法:映画館

怖い

ソフィア・コッポラの作品は本作が4作目。テイストは今まで見た彼女の作品とは少し違うがやはり彼女らしい良い作品だった。
ストーリーは南北戦争下、南部の女学園に北軍の足を負傷した一人の兵士が来て…というもの。
ストーリーはわかりやすく、ソフィア・コッポラの作品の中では起承転結が割とあるほうで見やすいかもしれない。
女だけの生活空間に男が一人来るとこうなり得るってのが描かれている。
ソフィア・コッポラの作品では個人的にストーリーはあまり重要視してなくて、各キャラクターの心情をシーン、描写から読み取れるってのが大事だと思っている。本作では特にマーサ先生とエドウィナの心理が見ていて興味深い。ソフィア・コッポラのような作風の場合、かなり俳優陣の演技力が大事になってくるが、本作ではマーサ先生を演じたニコール・キッドマンが完璧な演技を見せている。キャラの揺れ動く感情、葛藤というのをセリフではなく、画から表現するソフィア・コッポラにとって本作でニコール・キッドマンの演技は必要不可欠であった。
ソフィア・コッポラの真骨頂である画としての美しさが垣間見えるシーンもあり、撮影にもかなりこだわっていることがわかる。
ちょっとしたスリラーであり、暗いトーンのため、以前の彼女の作品とは雰囲気は異なるが、ちゃんと彼女特有の味がある良作であることは間違いない。
「白い肌の異常な夜」も後で見てみたい。

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ジンジャー・ベイカー