劇場公開日 2018年5月4日

「どうでも良さが清々しい」ラプラスの魔女 Scottさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0どうでも良さが清々しい

2018年5月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「ラプラスの魔」って凄い話なんだよね。物理法則で未来が決定的になってるから、ありとあらゆるものの運命はもう決まっているっていう。「人間に自由意志はないのか!」って話なの。でも量子力学の登場で否定されたんだけど。

それを否定しないまま、設定として持ち込んで、原作者の東野圭吾が話を作ったんだよね。

前半の設定説明をしてくところは面白いのね。広瀬すずが登場したところでは「なんだ広瀬すず良いじゃん!」と思ったりしたし。

それでクライマックスになってね、「ラプラスの魔」の大風呂敷広げてるんだから、すげえ含蓄ある台詞が出てくんだろうってとこなんだけど、何も出てこないの。でも、これはしょうがないよ。東野圭吾なんだから。そういう作家なんだもん。

まあだからなんか、設定紹介で終わる作品なんだね。

そう思って役者さん見るとさ、櫻井くん、広瀬すず、福士翔太、佐藤江梨子、その他もろもろって、そこそこ演技はできるけど演技派までいかないって役者さん揃えてんのね。どうでも良い話だから、どうでも良い演技でまとめてるんだよ。

「志田未来の使い方がもったいない」って思ってたんだけど、志田未来に本気の演技させたら、どうでも良い話感が崩れちゃうから、これでいいんだよ。

このどうでも良さ感をまとめあげて、「広瀬すず良いじゃん!」ってカットも入れてきた三池崇史監督は、やっぱ凄いね。「はい。皆様の御要望に応えましたよ」って感じなんだろうな。

Scott