ゲット・アウトのレビュー・感想・評価
全95件中、81~95件目を表示
黒人蔑視ではなく...
去年『ドント・ブリーズ』だった今年度のスリラー枠。
と、言われていたが、個人的には本作の方が怖かった。(あの黒人女性が凄く怖い!)
黒人蔑視ではなく、黒人を羨む一族のストーリーとは、我々の持つ先入観をうまく突いている。
脳移植、という話になって急にリアリティが失われて茶番劇っぽさも出たが、それでも伏線がうまく回収されていた。私としては、最後はバッドエンディングが良かったなぁ。
笑いも旨味も全然足らない!!おっさんはもっとニガーい黒人映画が好きなんだ!!
そもそも映画の登場人物に感情移入する、という観方をしないオレにとって、アメリカの人種差別映画はキャラ設定やストーリー、視覚的効果に興味を惹かれることが多い。白人が黒人映画を撮ると、「ドリーム」のような無理やりいい話にしてしまうのも、それはそれで楽しい現象だと思っている。
だが、黒人が黒人映画を撮るとちょっと事情は変わる。「マルコムX」を筆頭に偏るものもあれば、「ストレイト・アウタ・コンプトン」のように主張と娯楽性のバランスがうまくいっているものもあれば、「イコライザー」のように、どうでもいい作品になったりすることもあるが、やはり深読みはしてしまう。
人種差別。日本人のオレには、アメリカの人種問題について真剣に考えることははっきり言って皆無だが、こうは思う。ビルボードがすべてではないが、カッコイイのは黒人ラッパー。白人アイドルが憧れるのは黒人ラッパー。スポーツで活躍するのは、黒人。
生身で観ると白人はなんだが汚いなあと思う反面、黒人を見るときれいだなあ、と思う。と同時にその黒光り、その風貌に怖えなあ、とも思う。
「ゲット・アウト」
・
・
・
主人公は、身体能力の高い、肌のつるっつるとした、インテリジェンスのある写真家、という設定。
そう、オレたちがテレビで見る「すべてを手に入れた、完璧な黒人」である。そこがミソで、そんな完璧黒人に「白人の美女」をモノにしている、というテレビ的理想像。
そんな彼が彼女の実家にあいさつに伺う。そこで恐怖の展開が待っているのだが、ちょっと待て。こいつのふるまいはなんだ?日本語の訳しにも問題があるかもしれないが、なんたる無礼な主人公。こいつがいちいちグチや陰口をたたく。
はっきり言って、この主人公はカスだ。
だが、オレはこいつを観て、ああ、それでも、うらやましいなあと思ったりするわけだ。
それがなんと、この映画のど真ん中の話だったという。
・
・
・
本作、黒人監督がその「事実」を「黒人目線」で多面的に描いた作品、ということになる。
だが、その展開に売り文句の「笑い」もなければ「恐怖」もない。
なぜなら、やっぱり監督の能力不足でうまくないからだ。
本作は人種差別を「実は白人は黒人の身体能力の高さに恐怖し、憧れているから行われてきた」という定説の裏返しとして、ホラー映画に仕立ててあるのは明白。そのこと自体はいい。
だが、それなら、彼らを「求める」白人はじじい、ばばあではなく、ジャスティン・ティンバーレイクがJAY・Zに傾倒するように、若いイケメンが登場しないといけないのだ。
だから、「祖父祖母」の「求めた」身体が「足らない黒人」であるのが不満だ。薪割する「体力」、真夜中にランニングできる「体力」に「不満はない」というが、それならそんな仕事はしなくていいだろう。
また、コメディ的側面でもあるのだが、その「黒人賛美のさらなる逆転」としての機能として、デブな黒人の友人を登場させているのだが、
「その黒人賛美は、やっぱり一般の黒人には関係ない、ただの幻想(笑)。」
と言っているのに、それもいまいちうまくいっていない。
(友人が運輸局職員であることを強調しているのは、ただの黒人市民であることを強調している。)
ボディ・スナッチャー的要素もあの「ゲット・アウト」と詰め寄られるシーンもはっきり言って物足りない。
細かい点だと、彼女の写真の「遍歴」のルックスが実は雑なのも、笑いに結び付いていない。
本来は、
1)調子に乗った勘違い「イケメン黒人」はブルブル震え
2)「白人」は本音を見せつけられ「ドキっ」とし
3)「ブサイクデブメガネ黒人」がヒーローとなる
「アンチ優性遺伝子映画」となっているはずなのに、監督の力量不足と一発設定の脚本の練りこみ不足で、この程度で終わってしまっている。
追記1
脱出する主人公が圧倒的な「腕力」で家族をねじ伏せるところは、ちょっと笑った。主人公を獲物に選んだ、見る目は確かなようだ。
追記2
催眠術をネタバレではない、と言い張る評論にあ然。
満足
前半がダラダラだったけど、黒人の意味不明な不気味さが良かった。
悪い奴がサクサク殺されてくのにスカッとした。
予告だけみてたら彼女は味方だと信じてたけど…。
友人が殺されるんじゃないかとハラハラしたけどラストも良かった。
グロさが足りなかったなぁ
両腕をひじ掛けに縛られたまま、耳に手が届くか確認してみたり・・・
超一流のサスペンス映画である。何が凄いって、その伏線のひきかた。動機設定のアイデアもさることながら、これだけ練られたプロットはなかなかない。
主人公の黒人クリスは、恋人である白人ローズの実家に挨拶へ行くことになる。クリスの心配は、"ローズが両親、家族に自分が黒人であることを伝えないこと"だが、ローズは、"両親は人種を気にする人じゃない"と一蹴する。
ところが、郊外の人里離れたアーミテージ家に訪れると、そこは黒人の使用人2人がいる典型的な白人家庭だった。父親はオバマ大統領支持だと言ったり、深夜の庭を走り回る黒人使用人。クリスの感じる違和感は、徐々に不安から恐怖に変わっていくことになり…。
不気味な怖さは、「パラノーマル・アクティビティ」を始めとするホラー作品を量産する、ジェイソン・ブラムが率いる"ブラムハウス・プロダクションズ"がプロデュースする作品なので、想像がつく。ところが監督・脚本は映画デビューとなる、アメリカのお笑いコンビ"キー&ピール"のジョーダン・ピールという異色な作品。
ピール自身、"お笑い"と"ホラー"は表裏一体といったコメントをしているが、実際、ウイットに富んだシニカルなセリフ回しに、"笑えない怖さ"を感じる瞬間がある。
アフリカ系アメリカ人に対する人種差別問題を逆手に取った、意外すぎるほど秀逸なオチ。この映画は、"差別"と"羨望"も紙一重かもしれないと指摘していたりもする。観終わると、セリフでもある"Get out"の意味に、"なるほどね"と膝を叩くことになる。
この作品には、ミステリー作品にありがちな”穴”が見当たらない。とにかくツッコミどころがないのだ。・・・あとで、両腕をひじ掛けに縛られたまま、耳に手が届くか確認してみたり・・・ふふふっ(笑)。
リアクションがウソっぽくないのは、徹底的に練られ、丁寧に拾われた細かな配慮の完全主義にある。人物設定、セリフ、行動、小道具…。カメラのフラッシュが必要な要件なので、主人公はカメラマンでなければならないし、そこからその才能に憧れる、失明した画商の人物設定も引き出される。
序盤の警察官の対応から、警察に対する不信感を植え付け、警察官による黒人への不当な対応を彷彿とさせる。エンディングでの赤色灯のドキドキ感。ところが友人が警備員という設定回収の巧みさに唸る。ホントは別エンディングもあったらしいが、Blu-rayで収録されるという。
(2017/10/28/ユナイテッドシネマ豊洲/シネスコ/字幕:種市譲二)
ラッキー
アフリカ系アメリカ人の写真家クリスは、白人の彼女ローズの実家へ招待される。過剰なまでの歓迎を受けたクリスは、ローズの実家に黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚えていた。その翌日、亡くなったローズの祖父を讃えるパーティに出席したクリスは、参加者がなぜか白人ばかりで気が滅入っていた。そんな中、黒人の若者を発見したクリスは思わず彼にカメラを向ける。しかし、フラッシュがたかれたのと同時に若者は鼻から血を流し、態度を急変させて「出て行け!」とクリスに襲いかかってくる。精神科医の母親に催眠術をかけられ囚われの身になったクリスだったが、なんとか逃れる。実は黒人の家政婦と庭師はローズの祖父母であるとわかる。ローズ一家は黒人を次々と襲っては謎の脳手術をしていたのであった。車で逃げるクリスを祖父母が襲ってくるがなんとか撃退するがショットガンを持ったローズに追われるが最後はショットガンで撃ちまくってくるが、祖父はショットガンで自殺、クリスはローズの腹部に一発みまって首を締めるが殺せなかったが、異変を突き止めたクリスの友人が最後は救ってくれる。
先の展開が読めてしまって面白くない。
「ゲット・アウト」字幕版で鑑賞。
*概要*
アフリカ系アメリカ人の写真家クリスは、白人の彼女ローズの実家へ招待されるが、過剰なまでの歓迎を受けたクリスは、ローズの実家に黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚える。。。
*主演*
ダニエル・カルーヤ
*感想*
ネット上で満足度が99%だと知り、雨の中、普段行かない映画館へ足を運びました。他のお客さんはほぼカップルでした(笑)
期待したんですが、すみません!僕はダメでした…面白くなかったです。。(^^;
何故かというと、先の展開が読めちゃうから。
クリスの彼女、その家族がどうせ黒人を誘拐して拉致したんだろうな?って、彼女が初登場した辺りからず~っと疑ってましたし、クリスの親友が最後助けに行くんだろうなって予想してましたし、結果は予想通り。(笑)
黒人のメイドはかなり不気味で確かに怖かったけれども、ちょっと、、僕には合わなかったです。
個人的に最後は何らかしらのどんでん返しが欲しかった! そしたらスコアは上がってたかも知れないです。。
確かに怖かったんですが、、ん~個人的に合わなかったです。。
水面を往き来
とにかく1時間半超の間に何度も裏切られた。
家の使用人2人が漂わせるサイコ感、ラストへの持っていき方による精神的に観客も追い込まれるホラー要素は圧巻。
観た後にことの顛末を整理すると使用人たちは洗脳されてるのかとか、ローズは常人なのかとか、親睦会の意義とは何かとか、長い本編に散りばめられた伏線が見事に回収されていたように思う。それもただの伏線ではなく、観客に対するフェイクもありなかなか。
白人に内在する差別主義的感情が如実に描かれていてそこも良かった。
その一方で終盤の展開の一部がB級映画の感じを醸し出していたところは残念。
幻覚
白人が黒人を支配する。黒人は白人の目をいちいち意識しながら生活をする。
は一番分かりやすい比喩的な表現として扱ったのかなと思いながら観ていました。
一番の注目ポイントは催眠術、目だったなと感じます。
作品中盤あたりから夢なの?現実なの?現実か!なところがありますが、私は最後まで全ては主人公の、思い込みと彼が見て感じる自分本位の世界の景色、若しくは夢の話なんだと感じました。
オレ黒人。黒人だけど大丈夫?
女の地元行く。黒人を見つけ、そして探しては同じような気分だろ?ここおかしいよな?オレら仲間だよね?と言わんばかりに黒人ばかりを目に入れては、自分と似たようなあいつらが不気味だと言う。そしていずれ自分も同じようになるんじゃないかとよりネガティブな世界観を創造してしまう。
後半でも主人公が見つけて見た写真も、最後助けに来たのが警察じゃなく黒人の友人だったのも主人公の単なる考え方からの当たり前、幻覚で、最後の最後で女を殺さなかったのは、その固定観念が取っ払われた、やっと受け入れられた=幻覚から覚めた唯一の現実に気付いたからじゃないかなと。
頭かっぽじって、脳ミ…みたいなシーンは結構何かを捨ててる印象があったが、それも考え方リセットみたいなイメージで捉えて観ました。
鹿もグッド。
とにかく素晴らしい映画でした。
「ゲットアウト!」の真意
予告編でそそられて初日に観てきました。
最高!だけど夜中に一人で観たくない
コワーイ映画でした。
予告でもカメラのフラッシュに反応し
鼻血を流して叫ぶ黒人男性がオカシイ、マトモじゃないとミスリードされましたが、実はその逆。フラッシュで元の人格を取り戻した刹那に「ヤバいローズ一家から早く立ち去れ!」とクリスにメッセージを送っていたんですね。
本作と同様に黒人の人種差別を題材にした映画「ドリーム」は史実を題材としアメリカンドリームで彩られているのに比べ、終わりの見えない現在進行形の人種差別を突きつけられ、うすら寒くなりました。
人におすすめ出来る良い映画だった!
ひさびさに
人種間の軋轢とお互いのコンプレックスを巧みに織り込み、時折笑わせながらじわじわとその姿を現わす恐怖。微妙な演出の温度もピタリで期待どおりの面白さでした。単純な画と仕掛けで状況を伝える腕前!この秋のベストかも。
黒人目線から見た不気味な白人コミュニティの面々、被害者達の喋り方、ヒロイン?の変貌、そしてキャスリーン キーナーの磨きのかかった魔性。見所盛りだくさんで楽しい一本です。
不自然な黒人たち
冒頭からなんだか不穏な空気が漂い、彼女の家では「何か変だな…」っていうゾワゾワが常にあった。
黒人の使用人達の不自然な行動や表情がかなり不気味。
交通事故やローズの元カレの話、懇親会のお客達のクリスに対する言動など色々伏線張り巡らしてあったのも面白かった。
ただ、話のキモとなるアーミテージ家と仲間達の目的がイマイチ入り込んでこなかった。
黒人の身体を乗っ取って生きていきたいってのは分かるんだけど、「凝固法」(だっけ?)の詳細や彼らの信念、黒人に強くこだわる理由がちょっと弱い。
催眠術のシーンにかなり時間かけてたけど、それより一番ショッキングであるはずのネタバラシをクライマックスとしてしっかり観せて欲しかった。
クリスのオークションのシーンは静かに強いインパクトを感じられて好きだけど。
催眠術での床に沈み込む描写は唐突で少し笑ってしまった。
後半はほとんどアクション物みたいになってしまってたのも残念だった。
躊躇なくローズの家族を殺していくクリスの覚醒は見ていて面白かったけど。
クリスの親友ロッドには少しイライラと違和感を感じてしまった。
いきなりの性奴隷発言はちょっと笑ったし、警察に本気で訴えたいならあんなコミカルな喋りはダメでしょう…
まあ最終的にクリスを救うなかなか有能なヤツではあるんだけども。
ローズはとにかく名演だなと思った。
急な豹変はなかなか見応えあったし、あんなに良い彼女だったときの態度を思い出すと怖くなる。
なんだかあまり入り込んで楽しむことはできなくて残念。
冒頭のシーンはかなり好みだけど、正直本編との繋がりがわからなくて辛い。あそこだけもう一度観て理解したいわ…
作り込まれた表情やカメラワークなど演出面で好きなものは多かった。
黒人青年のクリスは白人の彼女ローズの実家を訪ねることになるが、自分...
黒人青年のクリスは白人の彼女ローズの実家を訪ねることになるが、自分が黒人であることを両親に特に知らせていないというローズの言葉に少々不安気味。実家を訪ねると両親は暖かく歓迎してくれるが実家には二人の使用人がいてどちらも黒人。甲斐甲斐しく働く二人の貼り付けたような笑顔がどうも気にかかる。そんな折ローズの実家でパーティが催されるが来客はほとんど白人。その中に黒人青年を一人見つけて話しかけるがやはり貼り付けたような笑顔。不審に思いながら彼の写真を撮ろうとしてクリスはうっかりフラッシュを光らせてしまうが、その瞬間彼の表情が変わり、クリスに向かって「逃げろ!」と叫ぶ。
監督はジョーダン・ピール。ステレオタイプの黒人イメージを茶化す自虐ギャグ満載のコメディだった『キアヌ』からさらにネジを90度回したような展開で、シドニー・ポワチエの『招かれざる客』のような雰囲気から一気に全然違う方向へ転がっていく話に呆気にとられました。全編スリラーでありながら随所にオフビートなギャグも効いていてどこにもスキがない娯楽作です。
結構イイ感じ
ホラーだけど霊や超常現象というのではなく、人間が怖い。
白人女性の恋人となった黒人の主人公が恋人の実家に行って奇妙な出来事に巻き込まれる。
冒頭の伏線が効いていて、パトカーが来た時は、むしろもうダメか、と思わせておいてのどんでん返しがいい感じ!
全95件中、81~95件目を表示