劇場公開日 2018年11月1日

  • 予告編を見る

「華のある、女性監督目線の世界観に引き込まれた」ビブリア古書堂の事件手帖 Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5華のある、女性監督目線の世界観に引き込まれた

2018年11月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

私はベストセラーの映画化で有るにも関わらず、本作を観る迄原作は未読。
なので、本作が原作の良さを何処まで表現出来ているのかは知らないけれど、本作を観る限りラスト20分~30分がもしも無ければ、女性映画としては有り得る良く出来た作品だったと思う。2時間越えの映画はちょっと尺的にも余程の秀作でないとしんどいかな?

黒木華演じる栞子が、読書オタクでリアル人間付き合いがとても不器用なキャラを見事に好演していた点が巧いキャスティングだと思う。
そして、野村周平と、成田凌全く異なるキャラだけれども、この2人も栞子を取り巻くキャラとして良いキャスティングだったと思う。
祖母の若き日々の回想シーンを夏帆と東出昌大の2人が演じていたのもとてもお似合いの2人で良かった!この回想シーンの2人が本を通じて愛が深まっていく過程を観ていると、こんな出会いでも人は互いに愛し合うようになっていくものなのかな?と思わず2人の気持ちに引き込まれてしまう。これも三島有紀子監督の女性目線の作品のマジックなのだろうか?
常識的に不倫は許される恋では無いものだけれども、この回想シーンを観ていると純粋な一途な恋に思えてくるから、三島マジックの違う意味でミステリー作品と呼べるかも知れない。
女性目線で、かくも不倫が美しく描かれるのがちょっと意外だった
冷静に考えると、祖父はどうして祖母を許していたのだろうか?祖父の心を想うとやるせない悔しさと哀しみに襲われる。

芸術の秋、読書の秋等、この季節は盛り沢山。秋は外出するのも楽しい季節。外出ついでに、ぶらりと本作を観る為に映画館に立ち寄るのも良いかも知れない。

「切通坂」絹子の恋物語読んでみたくなりました!でも読めないのが残念ですね。鎌倉でも散歩しながら久し振りに小説でも読んでみようかな?

ryuu topiann