劇場公開日 2017年7月8日

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「正しいことをしたら、クビ」ヒトラーへの285枚の葉書 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5正しいことをしたら、クビ

2017年7月10日
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 義が大儀に押し潰される時、私達にできることは、あるのでしょうか。
 暑い日が続きます。入道雲と映画を見ながら、今からおよそ70年前、世界で何があったのか、考える季節ですね。
 劇中、本作を象徴するアイテムが、繰り返し出てました。そう、お父さんの勤め先に積み上げられた、あれです。しかもナチの偉い人が、増産するように指示するあたり、危険な薫りが引き立ちます。あれ、何を収納するんですかね。ナチな少年の見果てぬ夢?、名を残すこともない人々の無念?、あるいは、自ら考えることを放棄した人間の未来かな?。
 自分の知っていることを公表すると、知られたくもない自分のプライベートが、報道される今日この頃です。本作は、海の向こうの昔話では、片付けられない気がします。
 人は、時と場所によって、正しさを使い分ける習性があるとしても、正しいことをしたらクビ(文字通り、クビです!)になる世界に戻りたくないものです。

機動戦士・チャングム