グレイテスト・ショーマンのレビュー・感想・評価
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あらすじを読んでサウンドトラックを聞けば満足できる映画!
歌唱パートに頼り切った筋書きに不満。
新進気鋭の劇作家フィリップ・カーライルを口説き落とすシーン("The Other Side")などまるで歌徳説話かと思えてしまう(3分ちょっとで説得されるフィリップよ,大丈夫か)。
バーナムがショー仲間を顧みずに興行し大失敗をした後,酒場で彼らと和解するシーンなども,ん?簡単に許しすぎでは?と釈然としない気持ちを抱かせた。
ミュージカルだから,といってしまえばそれまでだが,それなら会話パートをもう少し減らして純ミュージカル的にしてしまえばよいのではなかろうか...。
もっと根本的な所だと,なぜチャリティの父がバーナムとの結婚を許したのか? 花嫁学校にまで入れて教育した娘を仕立屋の息子にみすみす渡してしまうというのは,一体...。
疑問の尽きない本作ではある。
冒頭,繰り返されるコーラスとバーナムのソロが掛け合うパート("The Greatest Show")は鳥肌も立ってなかなかに熱いものがあったのに,映画体験としては貧相なものだった。紋切り型のストーリーに,要所要所,個性とも言えない個性を混ぜ込んでいく手法は『ラ・ラ・ランド』譲りのものなのだろうか。いや,それでも『ラ・ラ(略)』よりはマシか。ミュージカル映画というジャンルの出涸らし感に落胆を禁じ得ない。
suddenly you're free to fry
バーナムとフィリップの掛け合いの"the other side"が最高だった。かっこいい大人同士の駆け引きって感じ。
ただ、娘のバレエの発表会の最中に歌い出しちゃうバーナムパパには突っ込まざるを得ないだろう。
見応えありのミュージカル映画
貧しい生まれをものともせず夢を追い続ける主人公や、ハンディキャップをあえて武器に奮闘する団員の逞しさに感動した。努力し続け、夢を掴むアメリカンドリーム的思想はアメリカ映画らしいなと感じた。
夢を追っていくうちに身近にある大切なものを見失ってしまう主人公。遠くを見る余り、周りのものが見えづらくなってしまう時こそ、自分が本当に大切にしているものの再確認が大切なのだと感じた。
曲数も多く、どの曲も素晴らしい。スクリーンで聴く音声には圧巻。見応えがある。私は「ハイスクールミュージカル」を見て育ったので、大人になったザック・エフロンには感動した。流石の歌のうまさ。
マイナス点としては、周りの人がいい人すぎるあまり、主人公に対する理解が良すぎる印象を受けた。140分映画にして、サーカスを軽視している主人公と1揉め、2揉めあっても良かったのでは。
マジョリティ派の喜ぶマイノリティ
評価も高くて凄く期待して見たのですが、私にはバーナム氏の自信家で刺激的な要素を好む性格がどうにも違和感が後に付いてしまってストーリーがやや薄っぺらく感じました。
ただ、「This is me」は涙が出るほど素敵な曲だった。あの曲を主テーマにしていたらこんなに荒さが目立つ内容にはならなかったと思うと残念でならない…
バーナム氏はあの生まれで他に何も失う怖さを知らないからこそ、一度きりのチャンスを次々とモノにしていくのはとても勇敢で妻子にも恵まれて良い人生を踏み出したにも関わらず、今の幸せを奪われたくない怖さに気づくのが遅過ぎたな〜というのと挫折したのにそのくらいで直ぐ持ち直しちゃうの?ってくらい軽くて性格がとっ散らかっていて感情移入が困難でした。
それに、りんごをくれた過去の恩人を思い出しフリークと呼ばれる人達を使おう!とアイデアが浮かんだってことでいいのかな?恩人だったのにそんな自分のアイデアとして消費しようとするなんて凄く怖い人だ…
バーナム氏がジェニーリンドに夢中になり、ほぼ捨てられた状態になってしまった団員達も何か訴えがあってもいいはずなのに、あろうことか団員達から手を差し伸べてバーナム氏を歓迎するのもなんでそうなっちゃうのかな〜って違和感ありまくりで、彼らのこれまでは酷いものでもプライドくらいは見せて欲しかったな。
やはり、マイノリティ派の主張を作品に取り込むのが如何に難しく繊細なことなのかがこの作品を通して分かった気がします。
マイノリティ派の意見は本当に主張しても世間に届かないんです。そしてこの作品はマジョリティ側が満足する様なマイノリティありきの作品でした。バーナム氏が楽しく刺激的な要素を好む様に消費していったマイノリティ側を好むマジョリティ派に私たちもなっているのかもしれない、そういう部分に気付ける人がどれくらいいるか。
ララランドが大好きで…
ララランドが大好きなので、ララランド スタッフが贈るという予告を見たものの、何か違和感覚えていた。きっと歌はいいに違いない。と思い、劇場に行った。
何故バーナムに焦点を当てた?まるで感情移入できない。もっと劇団員達に焦点を当てて欲しかった。アン達のロマンスは良かったが物足りない。
100分程では少し詰め込み過ぎではないかという感じ。もう少し丁寧に時間をかけて描いてくれればより良かったかも。音楽も出演者のパフォーマンスいいのに勿体ないという思い。
最高のミュージカル
曲はせいぜい有線で流れているのを聞いたことある程度、予告も見たことなくチラシを見たことある程度の認識で鑑賞した映画でしたが、最高でした。前情報なしのほうが感動が大きいと思いました。
ヒュー・ジャックマンは当然、ザックエフロンを拝見したのはハイスクール・ミュージカル以来でしたがすごく歌がうまくなっていた気がします。
話の流れがわかりやすく、初見でも一回で話を理解できる大衆向けかつとても良い映画でした。
ただオペラ歌手の女性がかわいそうだったなというのと、主人公の子供二人がずっと同じ子役でどれだけ時間が経っているのかわかりづらいという点が少し気になりました。しかしどの曲も頭に残るよい物ばかりで、とても楽しめました!サントラ買いました。
浅~いストーリー
事前情報なして観賞。
音楽とダンスは上手だった。
肝心のストーリーはちょっとひきました。つまらないというか苦笑いというか。
ようは貧乏育ちで劣等感がある男の金儲けと自己顕示欲を満たす手段がフリークスショー。個人を尊重もしてないし、根本階級、国籍、見た目など差別してる口が上手い男の話し。ただただ欲望を満たすめ周りを口ぐるまにのせて、巻き込み飽きたら、放りっぱなし。金も自分じゃ責任とらず、人の良い相棒に負担させる。それなのに、ダンサブルな歌と素敵な俳優効果で良い話し風にしてるけど、、、。途中うさんくさくて詐欺師に見えた。
誰がなんと言おうと間違いなく最高の映画
良い点については羅列しきれないので割愛。
まずPTバーナムをテーマとしている点。
日本において、博識な人や一部の近代史に明るい人はPTバーナムの設定に違和感を感じてしまうかもしれないという懸念があります。
本国ではやはり歴史的に「悪」といっても差し支えない人物として認識されているため、ストーリーにおいての彼の人生の漂白感が鼻につく、という人が少なくないようです。
本作はアメリカの大手評価サイト「RottenTomatoes」での批評家の印象が悪く、酷評も出回っていました。
ストーリーの浅めの描写や、史実とかなり食い違うPTバーナムの美化されすぎた経歴に対する不満があるようです。
そして全米公開初週で興収1000万ドルを下回るなど、大コケするかに見えましたが、ジワジワと口コミで動員数が伸び、全世界興収は300億円を突破するなど、ロングランヒット中です。
お気づきかと思いますが、まさにこの現象は劇中で描かれた序盤のPTバーナムのサーカスそのものなんです。
「とにかく良さで人を楽しませよう!vsこんなものはあり方が間違っている!」
というまさに劇中の構図が現実でも起きているのです。
そしてこれを見たあなたもまたPTバーナムのサーカスの観客の一人なのです。
あなたは「この映画の作品としての良さ」と「歴史的観点から見た正しさ」の関係について悩むかもしれません。
ですが「良さ」と「正しさ」は両立されるべきなのでしょうか?
私は映画である以上、「良さ」こそ尊まれるべきだと思います。
ミュージカル映画にあるべき最も重要なものは迫力と歌と踊り、そして素晴らしさであり、
史実通りの設定や非の打ちどころのないストーリーではないのです。
批評家や他人の生き方に対して潔癖な人はこの映画を貶すかもしれません。
ですがこの映画こそ、最高の「ショー」なんです。
「正しくあること」をショーに求めるなんて、こんな無粋な事はありません。
良いものは良い、そんな当たり前のことが知識や経験が増えていくと曇っていきます。リアリティがどうの史実がどうのと言うかもしれません。
批評家気取りの人(まさに劇中に登場した批評家)からすれば、歪な作品だと誹られるやもしれません。
そんな他者の否定的なレビューやPTバーナムの背景について調べてしまい、劇場で感じた素晴らしさが曇りそうになっている方がもしいたら、そんな人にこそ言いたい。
こんなに清々しいペテンになら騙されてもいいじゃないですか。だって最高の映画じゃないですか。そこで感じた素晴らしさは紛れもない本物です。
もうちょっと音楽欲しいかも?
ヒュージャックマンが大好きで見に行きました。
ヒュージャックマンが好きになったきっかけがレ・ミゼラブルなのですが、レ・ミゼラブルが大好きすぎるせいか、サントラを見ても分かる通り曲数はグレイテストショーマンの方が少なかったです。
レ・ミゼラブルは劇中のほとんどが音楽で、カメラで撮りながら歌うので一つ一つの歌に感情がこもってて自然と涙が出ました。
ですがグレイテストショーマンはいくつかの曲以外は録音し、録音した歌に合わせて口パクで演技をしているのかななど色々考えてしまいました。
ミュージカル映画はできる限りカメラで撮りながら歌う撮影方法で撮ってほしな〜と個人的に思いました。
何も考えずに頭すっからかんの状態で見ると映画の内容もすんなり入ってくると思います。
まぁもっと言うとバーナムが成長していく過程、あれだけ反対されていた結婚が承諾された理由、ショーを完成させるまでの練習シーンなんか入れたらもっと内容が濃くなって良くなった気がするな〜とは思いました。
音楽は…
話題となっていますので鑑賞して参りました。
主人公のバーナムを演じるヒュージャックマンは歌も踊りも魅せ方が素敵でさすが!と思いました。
曲も歌詞も素敵で、一曲ごとに拍手しそうになりました。またダンスも圧巻でした。
ですが肝心の内容はとてもベタでした。夢を叶えて更に欲が出て周りが見えなくなって結局全て失った結果大切なものに気づく。万人ウケは良いのかもしれないです。
あとバーナムとチャリティが結婚することを父が許したのも??って感じでしたし、バレエの発表会のくだりも凄く中途半端な描かれ方をしていて、疑問に残る点が多々ありました。
人種問題も取り上げている点は、多様性が求められる今の時代には相応わしいテーマだったのではないかと思います。
最後に映画上映中にスマホいじるのは本当に迷惑です不快でした。
非人道映画
予告から、浅そう…と思っていたのですが、予感的中…。
浅い上にツッコミどころが多過ぎて…。
全体通してまず言えるのが、サーカス、フリークショーなのに、空中ブランコ以外は歌って踊って、肝心のユニークな彼らの個々の見せ場がほぼ無し。
というか、歌えて踊れる人達が奇抜な格好してるだけ。
チャリティは花嫁学校まで行ったのに、両親はどんな理由か謎のまま結婚を承諾…フリークスたちはすぐに本領発揮で、努力や葛藤のシーンは皆無。
描くべき部分が省かれてると登場人物を応援しづらい。
バーナムもフリークショーというリスキーな興行に対して前向き過ぎるし(きっかけも陳腐、というか外道、娘たちの思いつきのシーンは残酷極まりない)、フリークスの気持ちに寄り添えてない。
フリークスを金儲けの道具としてしか見てないし、偽物呼ばわり。
あなたの言う本物もオペラ歌手なのにオペラ歌ってないですけど??
苦労してきた割には(苦労の描写ほぼ無いんで分からないですけど)なんだか人として浅いし、歌の中でも同じことしか繰り返し言ってないし、何故フリークスとフィリップを口説き落とせたのか。
怒りのThis is me、確かに良い曲かもしれませんが、肝心のバーナムに伝わってなく、自己完結で終わり。
差別してる人間はそのままに、差別されてる人達に問題を押し付けるというあってはならない展開に唖然。
フィリップとアンのロープシーンは見応えあって良かったですが、愛を語る前に謝ることがあるんじゃねえのかと。人の目を気にして手を振りほどいたのは、周りの目じゃなくフィリップの問題!
評論家の存在も謎でしたね。
正統派の興行好きなだけで、何をきっかけに最後に全焼したサーカスを慰めにきたのやら。
子供達のバレエのくだりも半端でいらなかったんじゃないかな〜。
そういえば、冒頭のシーンは本編に繋がってないですよね。苦しかったのは周りの人達なんだが…。
バーナムは反省と謝罪をせず、結局いとも簡単に許されて終わってしまった。
ミリオンドリームとか言ってるような金の亡者は今後も同じ過ちを犯すであろう…と思いました!
あと、プロデューサーなのか座長なのか分からんですけど、ショーのセンターにいるのもなんか気持ち悪いです。
スターになりたかったの?フリークスを率いて?
と、思うと、どの楽曲や演出も高慢ちきで趣味悪いな〜と思っちゃって、なんかダメだなあ…。
冒頭でチャリティとの危険度MAXな屋上スレスレダンスやるくらいなら、それをサーカスでやっては?
最後の最後にCGの象とかライオンが出て来て激しく萎えました。
オチも意味わからな過ぎてもはや恐怖です。
楽曲もストーリーも互いに寄り添えてなくて何も生まれてない。
これがミュージカル映画だなんて許せないです。
楽曲とパフォーマンスだけがいいならMVでいいのでは…。
エゴイストのワンマンショーに振り回されて大変気持ちの悪い映画でした。
個人的にはミュージカル映画ナンバーワン!
とても良いミュージカル映画だった!
ショーのスタートと盛り上がるナンバーを見せつけ、観ている者の興味をグッと惹きつけるのオープニングからまず素晴らしい!
そこから過去のストーリーが始まり、幼いバーナムと将来の妻のお互いを想う気持ちを歌い上げるナンバーも微笑ましい仕上がりで彼らの良き人柄も伝わってくる様。
子供達と慎ましく微笑ましい生活を送っているバーナムは子供達の意見からアイデアを生み、サーカスという道を見いだしていく…
そこで彼が見出したのは、身体的コンプレックスを抱えていたり、好奇の目にさらされ、表から隠れていた者たち
彼らが表にくり出して、パフォーマンスを披露するナンバーも前向きさを感じる素晴らしいナンバーでとても良かった。
そこから彼は成功を追い求め始めていくのだが…
彼がフィリップを誘うナンバーもリズムが心地よく観ている者もノリ良く観られるし、歌姫が歌うナンバーもバーナムもより成功を求めてしまう心情にリンクするかのような歌詞で物語を彩っている。
”This is me”はホントに素晴らしいメロディと小気味よいリズムと前向きな歌詞が素晴らしい。
バーナムはもっと成功を求め始め、歌姫のプロデュースへと傾倒していき、サーカスの仲間たちや家族とも隔たりができ始めて…
端的に言ってしまえば、かつて貧困にあえぎながらも、家族と慎ましく生活していた男の成功とより成功を求めた上での挫折、そして再生を描くという王道コースのストーリーである。
だが、そこに彩られた素晴らしいミュージカルナンバーが物語を鮮やかにし、観ている者たちを、時に小気味よいリズムで盛り上げ、時に登場人物の心情を切なく歌い上げ、観ている者の感情をグッと揺さぶり盛りあげてくれる。
挫折し、全てを失ったバーナムに手を差し伸べる彼らがとても愛おしく、その後に再起をかけるように歌い上げられるナンバーも前向きなメロディと歌詞がとても心地よかった。
そして、再びサーカスを再興させ…ここでオープニングに繋がっていくのもこれまた素晴らしい展開であり、この素晴らしい王道コースを最高のエンタテインメントとして仕上げてくれる。
とにかく劇中で披露されるミュージカルナンバーがどれも素晴らしく物語を彩ってくれるのでとても心地よかった。
ポジティブなナンバーも多く、最後は彼らの幸せそうな表情で終わるので、劇中を爽やかかつ前向きな気持ちで後にすることが出来る素晴らしい映画だった。
ザック・エフロンの進むべき道
絢爛な美術と美しい衣装、派手なミュージカル・パフォーマンス。視覚的聴覚的にはとても楽しく充実したミュージカル作品であったのは間違いないのだが、作品の内容を考えるとどうも物足りないものがある。感性的にはなぜか充実感が足りない。
P・T・バーナムという実在したショーマンを主人公に据え、当時不謹慎と言われていたサーカスを成功させる様子を軽快に描いた作品で、それ自体はとてもいいのだけれど、ミュージカルシーンの華やぎとは別に、物語自体が持つ内容がまったくそれに追いついていないような印象。ただただ、サーカスを起こした男の話であるというだけに過ぎない。ホラ話やハッタリなどを自在に操ってショウを成功させたその折々の巧みな話術や裏技やテクニックなんかがまったく描かれず、とにかくミュージカルシーンを挟めば何もかもうまく行ってしまうというような強引な展開。「フリークス」と呼ばれることもある、個性的な特徴を持った人々を起用していく様子や、彼らと心を通わせるようなシーンがあまりにも粗雑にしか描かれないため、終盤で彼らがこのサーカスのことを「家族だ」とまで言い切ったその言葉を素直に受け止められるだけの裏付けが物語には備わっておらず、P・T・バーナムと彼らの間にある絆がまったく見えなかったのは大きな痛手。
映画のテーマには、現在ハリウッドだけでなく世界中で叫ばれている差別や偏見といったタイムリーな内容を擁していながらも、物語として繰り広げられる考察や導かれる結論には目新しさはなく、それを補うのが主題歌「This is Me」だというのは、映画としては不本意であるべきことだ。「This is Me」には、人と違うことやマイノリティであることを含めて、ありのままが自分自身だと謳う実に力強いメッセージが込められた一曲だが、このたった一曲がストーリー以上に多くを物語ってしまった。この一曲を前に、ストーリーが完全に希薄に感じられてしまったのは誤算であるはずだ。
P・T・バーナムという、嘘とハッタリを駆使して繁栄した実在の人物を演じるに、ヒュー・ジャックマンは少々ミスキャストな気もする。善良なイメージの強いジャックマンがハッタリ屋であるというのがなかなか結び付かず、もっと下俗的な胡散臭さをポジティブに表現できる俳優が相応しかったのではないかと思う。ジャックマンが演じるとP・T・バーナムがまるで英雄のように見えてしまいがち。もちろんP・T・バーナムは悪人ではないが、どこか狡猾さやずる賢さを孕んだ役者の方が似合う役柄のように思う。無論、ミュージカルスターとしてジャックマンの起用が表目であることは疑いようがなく、パフォーマンスには大満足なのだけれど。
一方で、ここ数年はお下劣なコメディ映画の出演ばかりが続いていたザック・エフロンが、久しぶりに「ハイスクール・ミュージカル」のころを彷彿とさせるような作品と出会ってくれたことは個人的にとてもうれしい。ヒュー・ジャックマンと繰り広げるバーでのミュージカルシーンの掛け合いは、ミュージカルスターの先輩と後輩の楽し気なバトルのようでもあり、エンディングなどまさしく先輩から後輩へのバトンタッチそのものだった。これこそがエフロンの進むべき道であり、この出会いを機に、ミュージカルスターであるヒュー・ジャックマンの正当な後継者として突き進んでくれないだろうかと私は真剣に願っている。歌唱力とパフォーマンス力、そしてスター性を持っているのだから、今からでも遅くないからブロードウェイ・ミュージカルなどでどんどん経験を積んで、次世代のヒュー・ジャックマンになってくれないかなぁと、この映画を見ながら本気で思った。
音楽はすごく良かった!
口コミ評価高かったからちょっと期待してしまったんですが、ララランドもイマイチだなって思った私的には内容は至ってありきたりで大した事ないなって思いました。
ただ音楽(曲調)は、希望に満ち溢れてる感じで、すご~く良かった!好き系でした!
前例の無い“地上最大のショウ”に我々は魅了され続ける
私事で久々の劇場鑑賞。いつも通ってる馴染みの劇場が新鮮に感じた。
また、作品も劇場で見るに相応しいエンターテイメント・ミュージカル・ショーであった。
アメリカでOP成績は不発だったものの、その後驚異のロングヒットになったのも、この楽しさだからだろう。
サーカスの原型となるショー・ビジネスの礎を築いた興行主P・T・バーナムの実話に基づくミュージカル。
レビューはほとんど絶賛で溢れていて、勿論それは充分分かるが、ちょっと気になってた点が。
と言うのも、バーナムはいわゆる“フリークス・ショー”の興行主としても有名。
エンターテイメントに徹する余り、それらはカットされるんじゃないかと危惧したが、ちゃんと触れられていて一安心。寧ろ、重要なポイントの一つでもある。
バーナムがスカウトしたのは、小人、髭の濃い女、毛むくじゃらの男、巨人、巨漢、有色人種などなど、社会から疎外されている人々。
彼らをショーに出演させる。
見世物と思われても仕方ない。
興行の為の金目的だったかもしれない。
が、社会から隠されるように生き、日陰の存在だった彼らが、初めて日の目を見る。その圧巻のパフォーマンス!
普通の人と違う、ヘン…なんかじゃない。個性。
差別・偏見を、歌って踊って、跳ね飛ばせ!
アメリカでヒットした理由もそれかもしれない。
本格的なフリークス・ショーを期待してる人には大いなる期待外れだが、実在の人物を題材に、メッセージ性のあるミュージカルになっている。
ストーリーそのものはツボを抑えているものの、少々平凡か。
ゼロからスタートし、成功を収め、その成功をさらに追い求める余り本当に大事なものを忘れ、再びどん底へ…。
家族愛とか仲間との絆とか、ちと描かれ方はステレオタイプ。
ある時バーナムは女性オペラ歌手の歌に惚れ、彼女と共に興行ツアーへ。家族やサーカスの仲間を置いて…。
バーナムの傲慢な部分も少なからず描かれてはいるが、もうちょっと深く描かれていればドラマとしてもよりメリハリ付いただけに惜しい。
しかし、夢を諦めない姿や、全てを失ってからの再スタートなどは非常にストレート。
それを盛り上げる歌やパフォーマンスが素晴らしい。
ヒュー・ジャックマンはもうさすがとしか言い様のないミュージカル・スターっぷり。
同じくミュージカル出身のザック・エフロンも下手な青春ラブやコメディやるより実に生き生きしている。
『ラ・ラ・ランド』の音楽コンビによる数々のオリジナル楽曲がどれも素晴らしく、お気に入りが一つに選べない。
本作もまた、前例の無い事を成し遂げた者の話。
誰も見た事無いものを見せる。
その新鮮さ、ワクワクこそ、本当の“地上最大のショウ”。
飽くなき姿、圧巻のショーに我々は魅了され続ける。
透けて見える差別意識
予告編を観て、ミュージカル好きであることと音楽的に好みかもしれないと感じたため鑑賞しました。
しかし、オープニングから心は掴まれず、音楽的にもPOPs/Rock度が高すぎてさほど惹かれず、正直嗜好に合わず期待外れだったな、との感想を持ちました。ヒゲの女性が絡んでくると、グッとゴスペル感が強まりめちゃくちゃ良くなるんですが、それ以外はなぁ〜。
あと、オペラ歌手ジェニー・リンドの唄がオペラじゃないとは!セリーヌ・ディオンとかの、90年代ディーバ調の曲でした。映画Youthのエンディングで流れたSimple Song #3のようなクラシカルな名曲を期待してしまったため、激しくゲンナリ…ジェニー・リンド自身は超美人で素敵だったんですがね。歌詞は悪くなかったです。
とはいえ、This is Me は名曲だと思いました。流れるタイミングも良かったし、映像も素晴らしかった。歌詞もドラマとリンクしていて上がりました。
あと、エンディング近くで流れる、バーナム復活の曲も良かった。ヒュー・ジャックマンは歌っていると角度によってはアメリカンロックの聖人・聖ブルース・スプリングスティーン師匠(通称ボス)似ていて、
「ボスっぽい!曲もボスっぽくもなくはないかも!」
と二次創作的にテンション上がりました。この曲の歌詞の一部に「光に目がくらまないように」とあり、思わず
「おおー!まるでBlinded by the Light じゃん!熱い、熱いよボス!」
と感動。この曲が一番好きですね。This is Meとこの曲はiTunesで購入する予定です。あと、ラストにかかる、予告編でも流れた曲も結構好きです。
ストーリーはハナから期待しておらず、予測通りの雑で凡庸なものだったため、特に言うことはありません。ただ、バーナムが一貫して妻と2人の子をブレずに愛していたのは良かったです。
【追記】
日が経つにつれ本作への不快感が強まってきました。
本作で特に気に食わない部分は、今流行りのダイバーシティについて、「共存してますよ」と上っ面では言っているけど裏では上から目線の傲慢さが透けて見えるところです。端的に言うと偽善。差別意識が透けて見えます。
猛毒を甘いキャンディで包むようなテクニックが背後に見え隠れしており、それがゲッペルスの宣伝テクニックみたいなものにも通じるように感じられます。腹も立ちますが、本作が受けてしまうことに怖さも感じています。
製作陣はわかっていると思います。偽善的な製作陣と偽善者バーナムはパラレルな存在です。
麻薬的な歌とダンスを与えれば、客は偽善や差別などわからないだろう、とタカをくくっているのだ。事実、本作へのリアクションはそんな感じです。製作陣大勝利だなF**k!
こういう類いの実話映画化が増えてしまうのだろうか
まずはじめに、ヒュー・ジャックマンの歌と踊りや表情などはさすがスターと思わせられたし、曲も様々な曲調・歌の繋ぎ方など工夫されていて良かった。ここに関しては素晴らしい!!とした上で以下(笑)
まずは仕立て屋の息子で貧しい生活をしていた主人公がとある貴族の娘と恋に落ち結婚するという経緯。
今作の大きなプロットである"バーナムが色々な経験をする中で成長し、最後は家族のところに戻った"ということの根幹にあたるところが冒頭のわずか5分足らずの曲の中で説明されてしまい、娘の父親からは二度と娘に近寄るなと言われるが、一体どうやってあの父親を説得して結婚したのだろうか?など家族を作るまでにどれだけの苦労があったのかが全くわからない。
また、ラストで家族を取り戻しにまたこの父親と対峙するが、ここは冒頭の父親の「彼女はきっとお前を離れて戻ってくる」という伏線の回収をすべきところ(冒頭の対比であり主人公の成長を証明すべきところ)だが、これも特に触れられず、よくわからないが何故か簡単に家族を取り戻してしまう。そしてこの父親との関係も曖昧のまま。
このように話の軸である主人公と家族という繋がりの強さに説得力をもたせる情報が圧倒的に少ない。ここまで来るとそんなこと最初から描く気なんてなかったんじゃないか?とさえ思う。
話の軸が曖昧で弱いまま感動なんかできない。単純に曲の良さに感動しただけである。それであればYouTubeで十分。個人的に人を2時間拘束して気持ち良い映像やPVを垂れ流すだけの場所に映画館はなってほしくない。
また、彼ら"フリークス達"がどんな思いで人前に出て、どのようにサーカスを成功させ、どんな家族になったのか、ビックリするくらい全く描かれていないし、ザック・エフロンとゼンデイヤのロマンスに関しては完全に蛇足だったと思う。(まずゼンデイヤ演じるアンは彼のどこに惹かれたんだろうか?)これに時間を使うなら先ほどのバーナムの家族の描写や、紹介できていない他のフリークスたちの描写を増やすべきだ。ここらへんに関してはイルミネーションの「SING」の方が上手かった。
この映画が大人気ってことが未だに信じられないが、本当の苦労や苦悩なんて誰も映画館に行ってまで見たくねーよってことなのかな。
「デトロイト」のような素晴らしいリアリティの実話映画が今後なくなってしまうのかと少し心配。
人間の苦悩や、社会問題や差別などに関して偉そうに語れるほどじゃないが、そういったことを覆い隠さずに、この世から埋もれさせずに、映画として世に出そうとする人がいなくならないことを切に願う。
浅くて単純な見世物小屋ストーリー
登場人物が多いのに、関係性を深掘りしてないので、感情移入しにくい。
話も単純で、
お金ないから何か始めよう→そうだ見世物小屋だ→成功!火事だ!みんなで立て直す!
なんて、非常にチープでひねりも特になし。
見る価値は無いかな
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