劇場公開日 2018年6月23日

「パレスチナの日常」ガザの美容室 sannemusaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5パレスチナの日常

2019年1月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

パラダイス・ナウ、オマールの壁、なぜかパレスチナの映画は気になって結局観ていることが多い。

物語はガザにある美容室が舞台。店員と客の女性たちの会話がメインで外の描写は最小限にしか出てこない。
けしてわかりやすい・観やすい作品ではない。女性たちの会話ややりとりも、楽しいものばかりではなく、前半はちょっと退屈に感じることもあった。

そこにいる女性たちは人種も立場も宗教も年齢も様々。共通点は美容院に来ているということだけ。
だが、彼女たちの自然な会話を通して社会の問題、今のパレスチナの問題を伺い知ることができる。こんなにも生活の中に浸食している理不尽な暴力を彼女たちは停電や恋愛の話と同等に扱う。

耳をつんざく銃撃シーン。日常も、特別な幸せなイベントも蹂躙されてしまう、そんな恐怖も彼女たちの日常の一部なのだということを感じ、平和のありがたさを思うとともに、世界の平和を祈る。

sannemusa