劇場公開日 2017年5月27日

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「余韻、半端なし。」光(河瀬直美監督) 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0余韻、半端なし。

2017年5月27日
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鑑賞方法:映画館

ずっと、胸が苦しかった。
台詞、表情、間合い。こもれ日、夕景の山並み、錆びた手摺り。雅哉の視界、選び抜かれた言葉、寄り添う音楽。すべてが刺さってくる。
涙を流したままにしようとすれば、声まで洩れそうだった。
永瀬が、カンヌでスタンディングオベーションを受け、感極まってうずくまってしまったのも納得の出来だった。

しかし参った、あそこで「光」と言うか。余韻、半端なしだわ。
光は、美佐子にとっては「生きていく希望」なのだろうが、人によっては「生きてきた証し」でもあるのだろう。
水崎綾女、河瀬監督もいい役者を見つけたものだ。

なお、アップの多用とハンディ使用のため、集中しすぎると酔いそうです。ふだんお好みの席よりもやや後ろの席での鑑賞をお勧めします。そして、五感を総動員して、想像してください。今まで見落としていたものに気付かされ、人を愛おしいと思う気持ちがあふれてくるでしょう。

栗太郎