劇場公開日 2017年6月1日

  • 予告編を見る

「ローガンのフィナーレ」LOGAN ローガン ジョーカーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ローガンのフィナーレ

2017年6月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

いままでのローガンは辛すぎる人生だった。しかも不死身なのだ。我々には想像もつかない苦しみを、悲しみを味わっていたはずだ。そのローガンのフィナーレを飾るのにふさわしい出来であった。

映画がはじまり、覚悟していた以上の衝撃を受け、すぐには映画の世界観に入り込めなかった。本作はローガンの老いだけではなく、彼を取り巻く世界そのものの老いを表現していた。
そのような少しだけマッドマックスを彷彿とさせるような世界に、1人のヒロイン、ローラの存在は大きすぎる。誰もが好感を持ってしまう。そしてアクションのかっこよさに震えてしまう。

本作では、シリーズ初のR15指定を受けたが、それはアメコミ映画でさえ、ほとんど見ないものであり、デッドプールくらいだろうか。そこまでして表現したかったローガンの人間像が見えた気がする。いままでのストーリーで、ここで倒してくれるだろう、と思わせるシーンが何個もあったが、彼の姿は痛々しい。その痛々しさは我々は最も見たくない彼の姿であろう。それをあえて表現する姿勢、そして全く妥協せず、その道を突き進む本作に心打たれた。

しかし、彼はただただ見苦しい姿を見せたわけではない。むしろ、私にとっては言葉では言い表せないなにかを受け取った気がする。それを言うとネタバレになるので詳しくは書けないが、様々なローガンの面を表現しており、とても良い作品となっていたのではないか?

こうき