沈黙 サイレンスのレビュー・感想・評価
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神の存在を問う
最初から最後まで幕府のキリスト教信者への弾圧やあらゆる拷問にそれでも神を信じ続ける信徒たちのいわば我慢くらべのような映画です。
特筆すべきはやはり現代にも通じる外国人から見た日本人の様々な特徴を細かく捉えた正直な描写です。
主役の外国人神父の視点で映画は進むので出てくる日本人が良い人も悪い人もとにかく不気味でキモいです。それでも今までの日本を扱う作品なら主人公と恋に落ちる若い邦人女性が出てきたりしましたがこの映画にはそんな甘ったれた展開はなし!最初から最後まで脱線せずにひとつのテーマを追い続けるので長時間ですが目が離せません。
日本の俳優陣も予想をはるかに超えた素晴らしい演技で特に浅野忠信さんはこんなに存在感のある俳優だったのかと再認識させられます。
信徒への拷問が見るに耐えないものもあるので要注意です。そしてこの作品独特の雰囲気は映画館じゃないと味わえないような気がします。
余談ですが映画が終わった後のエンドロールはありませんのでエンドロール中に帰る方はタイミングが難しいでしょう
期待したほどでも
監督が一流の外人で、どのような作品になるか興味が有って見たが
息苦しい様な緊迫感を期待したが
この作品に関しては日本人監督ならもっと緊迫感を出せたのでは無いかと思います。
見て損をしたとは思いませんが
それほどの感動的な物では無かったです。
日本人俳優達の素晴らしい演技
面白い映画だった。
原作は何十年も前に読んでいるが、遠藤周作の作品はどの作品も暗いイメージあり、この作品もそのイメージの中に埋もれていた。
マーティン・スコセッシが監督するだけあって、キャスティングば中々の白眉だった。窪塚洋介とイッセー尾形はとても素晴らしい。主役を喰ってしまった感がある。
日本人俳優も国際的な映画に出演しても、十分にやれる力量があると確信した。
信仰に関しては、キチジローの態度こそが、信じるものは何かを問わず、本来あるべき信仰の姿ではないだろうか。
信仰とはなんなのか…
日本の小説を海外の監督が映画化したいと熱望したと聞いて興味が湧きました。
リーアム・ニーソンが出演していた事も大きかったですね。
冒頭から生首と凄惨な拷問が映し出されて痛々しく辛かったです。
同じ日本人同士で厳しい拷問というか処刑だよねあれは…
日本にも、こんな時代があったのかと今のイスラムを見てるようで複雑な気持ちになりました。
あんまり宗教云々は言いたくないので映画の話だけすると役者が良かった。
アンドリュー、アダム、リーアム、この3人の声が聞いてて耳心地が良かった。
この沈黙という作品は、あえてだと思うがBGMがほぼなく自然の音や声がそのまま流れてて、だからより没入できたのかなと思います。
3時間近い作品だったけど長くは感じませんでした。
日本人キャストも有名どころが出演してて、たまにあるアジア系の人を適当に使ったエセ日本人じゃないところは安心でした。
日本人は大半が百姓役なんだけど、この人達が、物凄く痩せこけてて、そういう体型の人を選んだのか減量したのかわからないけど胸や肋に骨が浮いてて、それがより拷問シーンを辛く過酷にみせてたと思います。
信仰に救われる人、揺さぶられる人、捨てる人。
色々な人がいたけれど人の奥底の心理をのぞいたようで難しく暗く悲しい話だったかな。
静かに淡々とでも確実に何かが蝕まれて消えていく、そんな感覚でした。
ロドリゴもフェレイラも、日本人の様に生きていたけど、ロザリオや聖書が無くても心の底では信仰心は捨ててなかったんじゃないかなと私は思いました。
終わった後、暫く立ち上がれなかったです。 深い内容で、心に残りまし...
終わった後、暫く立ち上がれなかったです。
深い内容で、心に残りました。
前日にキセキを見たときは、あまり心に残らなかったのですが。
よくぞ映画化してくれた
娯楽性の評価は別として、原作者の意図を追求するという意味では、成功したと思う。この原作は、私にとって最も印象に残る作品の一つであり、映画化は困難と思えたが、核心に迫ろうとした姿勢には敬服する。我々の多くは、踏み絵をあっさり踏める「お調子者」でもないし、躊躇なく拒んで死ねる「聖者」でもない。主人公たちの姿は、我々自身の姿でもある。それがうまく描けたと思う。
なお、イッセー尾形の演技は、ある意味リアルである。軽妙に振る舞う奉行の眼は怖い。
みんなが知らない日本の歴史
海外の監督から学ぶとは。
これが事実だとは思いたくないけど。
宗教っていったいなんだろう。
と考えさせられた。
海(波)が人間の不安や残酷などを表現していて、最近の日本映画ではこういうシーンは見てないな。
野村芳太郎監督作品を思い出しました。
皆さんが言うようにおすすめはしません。自分が見たいと思ったら見にいくべき作品ではあります。
ひたすら沈黙を続ける神への信仰
舞台は天草の乱後のためある程度は落ち着いているが、キリスタンへの弾圧が続いている日本である。なぜこれほどにまで弾圧を受け続ける中で信仰を保ち続けることができたのかが不思議でならない。
そのような状況下で信仰によって神が助けてくれるというのであればまだ話はわかるが、神はひたすら沈黙を続けるのみである。
なぜ神は沈黙を続けるのか神への信仰とは何であるのか? そのようなことを考えさせられる映画であった。
沈黙 -サイレンス-
何を伝えたいのか全くわからなかった。
感じたことと言えば、宣教師は多くの人に幸せになってもらうために宣教活動をしていたと思うのですが、自分たちがその活動をすることによって多くの命が奪われている時点で、活動のあり方を考えるべきだったのではないかと感じました。
このようなことから、キリスト教弾圧政策が悪いのか?その中でも宣教活動をひろめた宣教師が悪いのか?そう考えたときに、私はより多くの被害を出したのは、後者なのではないかと感じた。
以上のことから、そのような状況下にあっても多くの人に教えを広め、多くの人々を犠牲にしたキリスト教に対して悪い印象を結果的に持つ事になった映画でした。
追伸
キリスト教徒の方々から見れば、このような方々がいたから現状があるという風に感じることができるとおもいます。あくまでも無宗教の私から見た感想でした。
今、映画化の意義
監督は「沈黙」を今になって映画化したのはなぜだろう…
理由は無いかもしれないけど。
近年の世界的な状況からいえば、キリスト教や日本だけでなく、多様性に対する考え方として寧ろイスラム世界で観てもらい影響を与えて欲しいと思った。
個人的には、もう少し沈黙との対峙に時間を使っても良かったかな…。
今までの人生で一番心掻き乱された映画
安藤忠信の「形だけだよ。」っていうセリフがすごく心に残った。
本当の心は神様にしか分からないということなんですが、
私には、物凄く残酷な星の王子さまみたいな話に感じました。
BGMが無い。
うまく文章にできないのですが、息ができないくらい胸が締め付けられる映画で、何回も観たいとは思わないけど、
DVDじゃなくて絶対にスクリーンで観て欲しい最高の映画なので、
わざわざアカウントを作って感想を書きました。
そのくらいできるだけ多くの人に見て欲しい映画です。
日本人カトリック信者
大変期待していた映画だけに残念な映画でした。こんなカトリック信者もいるんだと、聞き流して下さい。
まず映像が日本ではなく、アジアのどこですか?と言いたくなるほどだらしない映像。ただ汚く貧しいだけの農民。日本には古来より侘び寂びの美学有りますよ。日本人は昔から、辛く厳しい生活の中にも美を追求してきました。この映画では農民の姿、生活に生と死を感じられない。ただの役でしか無い。汚い農民。役者に演技力が有るのは当たり前。プロの歌手に歌が上手いですねと言ったら失礼でしょ。
風が吹いていても、日向で扇子を扇ぐ侍。侍ってアホ?私は真田と祖先が共通ですが、侍をバカにしているとしか思えない。
原作も読みましたが、終始一人の頭の中での葛藤だと、随所に感じました。
あの時代と場所は、個人主義と全体主義が衝突した所だと思います。
水と油が混じり合う、それが愛では?
原作に忠実だが・・・。
原作は随分昔に読んだ。遠藤周作はクリスチャンで、彼自身も日本人としてキリスト教の教えに対する葛藤があったのでしょう。他の作品にもそれは見られます。これはどの宗教にも通じるもので、テーマとしては逸材かと思うし、遠藤先生がそのテーマを素晴らしい作品に作り上げています。
原作は衝撃的で、本作もほぼ忠実に作られていますが、最後は余計な時計だったように思えます。
ただ気になるのは、この史実の前後を描かずに、この部分だけを切り取ってしまっては、日本が異宗教を何故弾圧したかが分からない。キリスト教の教えは素晴らしいが、これほど政治に利用され、結果的に人々の争いの道具になった宗教も珍しい。当時の日本のキリスト教の排除は正解だと思うし、あれが太平洋戦争の序章になったことは教科書には載っていないが周知の事実なのだから。
宗教とは信仰とは何なのか
宗教、信仰の対象が人々とってなぜそこまで彼らの中の面積の大部分を担っているのか、わたしには分からなかったが、それが自分にとっての親や子の存在のようなものであったなら、それを踏み、唾を吐き、奪われる事の辛さ、そしてそれに対する心の中の強い思いは至極当然の事のように感じた。
キチジローのミスキャスト
作者が存命でなくて良かった。
長崎在住、一時期遠藤周作を読み漁った。なかでも「沈黙」は私にとって大切な作品。それがこんな軽いものに仕上げられてしまい悔しい。人間の葛藤の痛みと深さは原作とは大違い。
何より肝心のキチジローのミスキャストが致命的。窪塚洋介の演技では表現できなかった。
その他の日本人キャストは問題なく、ことにイッセー尾形は群を抜いて素晴らしかった。
映画でなく原作を手にとって欲しい。
もういっそ殺してあげてよ
途中、一瞬で首切られる人が出てくるけど
おそらくこの映画で一番幸せなのはこの人でしょう
そう思ってしまうくらいの凄まじい弾圧です
性的な虐待描写はなかったですが
もうただただつらい
途中からキリスト教なのに禅問答状態になるし
うまーく洗脳状態にさせるような手法も怖い
役者は全員当たり役でした
特に窪塚洋介は本当に良かった
彼がいい意味で道化役を本当に演じきっていました
この映画のロケ地を台湾にとられてしまったのは
凄まじい失策だと思う
これは長崎県で撮影して欲しかった
スコセッシはまた傑作を生み出した。
素晴らしい映画が観れた。
僕は遠藤周作の原作は読んでいないが、凄く満足出来て、この世界にのめり込んでしまった。
宗教や信仰の違いで起こる人間の苦悩や怒り。複雑な部分を上手く描いていた。
脚本もそうだが、やはりキャストの演技力。
下手だなと思った役者は一人もいない。
それぞれが素晴らしい演技をしていた。
特にアンドリューガーフィールドの演技は圧巻。
そして、この映画の特徴として、音楽が一切使われていないということ。
聞こえてくる音は、俳優の声、鳥のさえずり、足音など、自然から生み出されるものだけ。
まさに、タイトルと映画が掛け合わせた素晴らしい演出だなと思った。
スコセッシの映画はこれからも期待が出来そうです。
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