劇場公開日 2017年1月21日

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「重いテーマのだが、きちんとできている」沈黙 サイレンス bluetom2000さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0重いテーマのだが、きちんとできている

2020年11月28日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

長崎に住んだ時期があるので、隠れキリシタンの歴史は至る所で見聞した。市内はもとより、雲仙・島原・平戸... そんな見聞した歴史が、まるで現実のようにスクリーンに表れる。日本の情景や文化・生活が丁寧に表現されている。聞いたようなお国訛りも懐かしい。日本の研究・日本人スタッフの充実を感じ、外国映画らしい違和感はない。日本人の役者たちもしっかりと演じていたと思う。スコセッシのこの作品へのこだわりはキリスト教への信仰心からか?
さて、雑な仏教徒であり、キリストの教えに対する理解が甘いなりに感じたこと。自分はキチジローへの同情と共感が強かったかな。信念を曲げるのは教えに反することだとしても、生きるために外見はとりなし、だけど精神的には何も裏切っていない、と思いたい。それは心理への背信行為で許されざる行為かもしれないが、誰がそれを責める。棄教した神父たちも同じでないか? 果たして、信じる者は救われるのか? 戒めている自殺と変わらない。 絶対の神に対する疑念との葛藤に悩み苦しむ人々の姿が辛い。
きちんと原作読んでみたい。

Bluetom2020