劇場公開日 2017年11月17日

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「違和感の原因」GODZILLA 怪獣惑星 Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0違和感の原因

2017年11月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

難しい

 自分はオリジナル特撮ゴジラの1段下の世代ですが、この作品を見てどうにも違和感を覚えるのです。脚本の虚淵玄氏はノリノリで書き上げたかどうかは解りませんが、話の構造の複雑さ、SF・科学用語の多用、起承転結TPOなどの噛み合わせが何となく釈然としないなど、お花畑の雑草のようにイヤにチョコチョコとノイジーに邪魔する何かがあるのです。
 思うに、元々ゴジラは昭和の大怪獣特撮作品、登場初期こそ人類の敵でしたが、シリーズが進むと他の怪獣と戦ってやっつけて東京湾?に帰巣すると言うヒーロー扱いになった記憶があり(自分はその辺からの世代)、その内容は一貫して『子供向け』ではなかったでしょうか? 挙句にはミニラと言う子供まで…w(つまりゴジラはメス)。 子供ながらに怪獣同士の戦闘が特撮ならではの迫力にも満ちていましたし…
 先ごろの『シン・ゴジラ』はその初期コンセプトを捉えて現代版に再構築したものと推察され(スミマセン実写なので観てません)、だからこそ違和感などなくスンナリと受け入れられたのか?と。世代の人は子供の頃の思い出をアップデートし、若い人たちはネタは昭和でも現代に蘇った新鮮な作品として観られた?
 一方このGODZILLA、上記とは何もかも全く別物のコンセプト。従って子供の頃の記憶や思い出がこの作品を冷静に見ることを阻害してるのだと感じました。まァ先入観を持ってみるべきではありませんが、古い情報とリンクを断つ事は容易ではなく、寧ろ無理な話で、それで一部では「ゴジラである必要性がない」とまで言われてるのでは?と。

 前悪が長くなりましたが、結論としては『やり過ぎ・盛り過ぎ』だと思います。元ネタをゴジラにすげ替えた?とまでは言いませんが、ゴジラが何か別の『脅威』であっても成り立つ様に感じてしまうところが残念かなと。
 ポリピク映像・ビジュアルのキレイさとリアリティと大迫力、一流の声優陣の一流の演技、作品のクオリティを至高に上げる演出努力も、システムがとっ散らかってては巧くジャストフィットしきれずに仕上がりとしていささかイビツで不安定に見えてしまうものだと思います。
 多分、憶測ですが、いっその事、対象年齢を中学生くらいに想定してシンプルに制作すると巧くいったのかも?? シドニアやBLAMEがまずまず巧く出来てたので、チョッと残念な感じです。

Geso_de_Nyoro