劇場公開日 2017年8月26日

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「なんとも言われぬ微妙感」関ヶ原 woinaryさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0なんとも言われぬ微妙感

2019年6月3日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

難しい

予告編が気になり劇場で見たかったのですが都合が合わず、地上波初放送ということで期待して観たのですが、期待が大きすぎたようです。劇場で見れば最後の合戦シーン等はそれなりに観られたかもしれませんが、いかんせん家庭用テレビではそれも望めず、かえって粗が見えてしまった感じです。

過去のレビューで繰り返し述べられてはいますが、中途半端な初芽パートは説明不足過ぎてよくわかりませんでした。事前に原作で予習しておかないといけない映画だったのでしょうか。前半はともかく、負傷後はどういう状況なのかさっぱり分かりません。負傷後に拾われて売り飛ばされたのでしょうか?それにしては関ケ原の戦場の真ん中で右往左往してますし、あの集団は何だったのでしょう?

三成を中心に描くのは良いですが、彼が頻繁に口にする「義」が作中ではまるで見えません。どこかカットされてたのでしょうか。

冒頭に演出上セリフが聞き取りにくいので気になるなら字幕を有効にしてくださいという旨のテロップが出ましたが、いや、そんなレベルじゃないです。真面目に何言ってるのかよく分かりませんでした。尾張言葉だからどうとかではなく、とにかく聞き取りにくい。全編聞き取りにくい。これは演出上とかいう話ではないように感じます。

最後に金吾中納言。いい男使ったので悪役にできなかったのでしょうか。すべては部下のせいです、って。それまでの東出中納言の葛藤が台無しに感じます。

催促鉄砲もなければ、三成たち五奉行と武断派の対立も中途半端で、なんとも微妙感が漂う作品でした。

補足:
作中冒頭、尾張人と近江人の対立みたいな解説がありますが、それはいかがなものでしょう。淀殿は近江浅井氏の出とは言え、元を正せば織田信長の血筋です。武断派と対立した五奉行にも尾張出身者は居ます。一方、武断派の黒田長政は尾張でも近江でもありません。

補足2:
武将の名前呼びは論外ですね。親しい間柄で内輪しかいないときはともかく、例えば家康なら内府殿かせいぜい徳川殿、徳川内府です。三成も(石田)治部ですね。

補足3:
聞き取りにくくて間違えているかもしれませんが、島左近が紀州浪人って名乗ってました?彼は大和の出身ですけど。なお、秀次が処刑されたのは1595年で、三成が佐和山城主になったのは1591年です。

woinary