劇場公開日 2017年10月7日

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「先入観を捨てて見るべき」ナラタージュ まゆさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0先入観を捨てて見るべき

2017年10月8日
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泣ける

松本潤と有村架純の恋愛映画、と聞いて興味を持つ人もいるだろうけど、「よくあるキラキララブストーリー」を連想して敬遠してしまうであろう人にむしろ見てもらいたい作品だと思った。
それに前評判のようにエッチな映画じゃないし、何考えてるのかわからないとイライラもしない。何考えているのかは、手に取るようにわかった。
ダメだとわかっていても惹かれた相手に自分を見て欲しいと思うのも、それでもやっぱりダメだと自分にブレーキをかけるのも当然のことで、細やかな気持ちの揺れを、リアルに描いている作品だと思った。
細やかすぎて、ザ・エンターテインメントな映画が見たい人には退屈なんだろう。断片的で、えっなんでこうなった?とちょっと端折られた感が否めない部分があるけれど、回想録だからと思えばしっくりくるし、想像で補える。
ラストシーンがとても好きで、素直にヒロインのこれからの幸せを祈る気持ちになれた。きっと先生も同じ気持ち。そして、大切な人への気持ちを忘れる必要はない、持ち続けたままでいいんだと…
正直、鑑賞後はモヤモヤした気分になるのを覚悟して見たが、ラストシーンのおかげでむしろ清々しかった。
ハマったらどっぷり浸かる。何が悲しいとかではないのに、エンドロールでは自然に涙が溢れた。野田洋次郎の歌もとても良かった。

まゆ