劇場公開日 2016年11月5日

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「久しぶりでも、タイトル曲のイントロが流れてきた瞬間に、「深夜食堂」の世界に入っていける」続・深夜食堂 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0久しぶりでも、タイトル曲のイントロが流れてきた瞬間に、「深夜食堂」の世界に入っていける

2016年11月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

相変わらずの続編。
3話のオムニバスに、いつもの常連客が絡んできて抜群の安定感。
変化球をかましてきた佐藤浩市もよかったが、今回の白眉は小島聖だった。久しぶりに見かけたと思ったが、その存在感に驚いた。15歳も年下の彼氏池松との結婚を望むもなかなか進まない、運送会社の事務員役。いつも着古してよれたTシャツ姿の冴えない若者池松と、洒落たタバコケースから一本とりだしてプカッと吹かす疲れた小島。「さおり」と呼び捨てにし、「せいちゃん」とちゃん付けで呼び合うだけで、二人の距離感やらがよく伝わってくる。二人にしかわからないそれぞれの魅力に惹かれ合っている様子が、表情からほとばしる。溺れているのでなく、信頼の感情のような。そんな、風鈴の音のようなさおりの生き方。
とうぜん僕は、物分かりが良さそうでいながら結局頭の固い母親キムラ緑子をなんとか説得しようとする決意の二人を、応援せずにはいられなくなっていた。

栗太郎