劇場公開日 2016年7月23日

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「人間尺取虫は忍耐強く限りなく優しい」ラサへの歩き方 祈りの2400km M・Iwaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0人間尺取虫は忍耐強く限りなく優しい

2016年8月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

幸せ

五体投地は人間尺取虫の様。歩くより遅い。チベット高原のくねる道をラサと神の山カイラスに一年がかりで巡礼する。脇をトラックが轟音を立てて通過する。カメラがそれを大ロングで捉える。人間が小さすぎて画面から直ぐには見つけられない。それ程チベットの自然は巨大で圧倒的、受け入れるしかない。だからチベットの人は人間は無力だと知っている。助け合って生きるしかない。人間は何でも出来ると考える私も含めたチベット以外の人間は皆"私"の呪縛から逃れられない。チベットの人は"私"が淡くて、その分軽やかで自由だ。
ドキュメントと演出の見分けが付かない。それ位リアルで自然な映画。青蔵鉄道に乗ってみたくなる。

M・Iwa