劇場公開日 2016年12月1日

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「一周回って感動してしまう。」マダム・フローレンス! 夢見るふたり 星のナターシャさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0一周回って感動してしまう。

2018年3月21日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

笑える

幸せ

公開当時は時間的な事情で見逃してしまったけど観たかった作品。

メリル・ストリープが上手い!
なんて今更書くのはどうよ!と思いますが
やっぱ、上手いんですよ!!

金持ちのおばさんがお金をにモノを言わせて
立派な劇場でコンサートを開いてしまった話しですが、
メリル・ストリープ演じるフローレンスは
資産家の娘で、家を継ぐために親の言いなりで結婚したら
夫に梅毒を移されて、以来半分病人として
狭い世界に生きてきた人で純粋だけど、どこか世間からズレている。

実はこの主人公ほどでは無いけど、親が多少お金持ちで、
どこか世間からズレてる知り合いがいて
メリル・ストリープ演じるフローレンスの
歌っている時以外はちょっと不安そうに
顎や口のそばに手をやる子供っぽい仕草や
人の話しを聞いているのか?いないのか?
受け答えが若干微妙なのに、案外鋭いところを突いてきたり〜

ちょっと世間からズレてる人の雰囲気がそっくり。

で、音痴の具合も
絶妙に聴けるような聴けないような感じがたまりません。(笑)

以前に関西のラジオパーソナリティーで
絶望的に音痴な女性がいて、この人は音痴を自覚してるけど
でも唄が好きなので、
時々番組内でカラオケで唄うんです。
その音痴加減がお腹がよじれる程おかしいんだけど
本人は好きで、とても気持ち良く唄ってるので
聴いているうちに一周回って感動してしまうのよ。

そう言う音楽としては酷いけど
本人が気持ち良く、必死に唄ってる音痴は
やっぱり、笑いながらもどこか心が動かされるね〜〜。

で、ヒュー・グラントもよかったです。
軽薄な二枚目だけど、一所懸命フローレンスを守ろうとする様は
独り者の私から見れば、ああ、フローレンスが羨ましい〜〜

ピアノの伴奏者マクムーンと
昔はピアニストになりたかったフローレンスが
二人でピアノを弾く場面、
心が近づいていくのがよりわかりやすい形で描かれていて
本当にいいシーンでした。

辛口な部分もうまくミックスされて
本当に大人なバランスの上手いコメディーですね。

@もう一度観るなら?「劇場でリバイバル上映してほしい」

星のナターシャ