劇場公開日 2016年11月19日

  • 予告編を見る

「こんなにも近くで、、、。」聖の青春 ポップコーン男さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5こんなにも近くで、、、。

2016年11月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

映像に出てくる見たことのある見慣れた街並み、そりゃ大阪を映しているんだから当たり前か。

市内の映画館で鑑賞しながら不思議な親近感を感じた。
十数年前にこの近くで起きていたんだな。と思うと感慨深い。
年齢は一回り下なので小学生、中学生ぐらいかー。

まずマツケンは「めっちゃ太ってるw」と一目で感じた。もうコートを着ていても後姿でお肉が溢れてしまってる。なんせ20キロの増量は半端ないなー。
でもそれが役作りってんだから頭が下がります。
しかしながら村山聖を知っている訳ではないが、NHKの特集等で見た感じだと非常に癖等をとらえていて勉強して演じてるんんだな、と感心した。

リリー・フランキーは本当に素晴らしい役者だと思う。やさしいオジサンやイカれたジジイ等、ありとあらゆるキャラを演じ切る、しかも不自然では無く、今回も本当に師匠「森信雄」を作り上げていた。

あと東出昌大くんも羽生さんそのものだった、初めて観た時は「うわー、ちょっとキツイかもw」と思ったが、非常に自然でそれでいて人間味のある羽生さんを演じられていた。素晴らしい。

さて、作品は非常にリスペクトはもちろん村山聖についても調べられているのだろうなと感心した。
僕はルールはもちろんわかるが、将棋もそれほどやったことが無い村山聖も「なんか聞いたことがある」くらいだったがさっきウィキペディアで調べると作中でしっかりと描かれていた。

他のレビュー等では対局をしっかりと描いてほしい。等といった点も書かれてはいるがそのシーンだけだと間延びしてしまうだろうし、あまりわからない人には難しいだろう。
その代わりにそれぞれの棋士の表情や仕草等が事細かに捉えられていて臨場感、緊迫感等が見ていて感じられた。

特に知り合いでもないし、応援していた訳でもないけど改めて偉大な棋士がしかもこの様な若さで亡くなったと思うと非常に悲しいし、どれ程辛かったのか?と感じる。

しかしながら、上手く表現できないが将棋に出会っていなかったらもっと早くに無くなっていたのかもしれないし、楽しみの無い人生だったかもしれない。

ユーモアのある人でもあったのかな?と感じた。
「牛丼は吉野家じゃないと意味が無い」と何度か言っていた。
非常にわかるw うんうんとずっと頷いていたw
でも最近のすき家だらけの現状をしったらどう思うだろう?w

羽生さんと飲み屋でお互いの気持ちを言い合うシーン非常に好きです。外にしんしんと雪が降ってて。でも店名が「よしのや」じゃなかったかな?w

最後に、誰かが「棋士なんてのは負けず嫌いの集まりなんです」って事を言っていたのを思いだした。
最後まで羽生さんに勝つことを、名人になる事を夢見ていた村山さん、またいつか色々な人と対戦できるでしょう。遅くなりましたが、ご冥福をお祈りいたします。

ポップコーン男