劇場公開日 2017年2月18日

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「破壊を経てたどり着いた、確かな希望」雨の日は会えない、晴れた日は君を想う kikitさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0破壊を経てたどり着いた、確かな希望

2016年11月18日
PCから投稿

泣ける

興奮

知的

原題のDemoliton=破壊とは、
趣が異なる邦題『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』だが、
本編のとあるシーンで象徴的に登場するあるメモから
引用されているものだった。

劇中に登場する、奥さんが遺したいくつもの”メモ”。

不在であるはずの奥さんという存在が、
主人公のデイヴィスの心情を揺るがしながらも
物語を紡いでいき、観客を物語に引き込んでいく手法は、
ジャン=マルク・ヴァレ監督の才能の賜物のように感じる。

彼女が死んでも涙が出ないなんて、
僕の心は何処に行ってしまったんだ・・・?

”無感覚”という感情、喪失感に悩まされ、
身の回りのあらゆるものを
破壊し、すべてをゼロにしたことで、
自らの感情と、そして本当の意味で、
奥さんと向き合うことができたんだろう。

他者という存在によって、
哀しみは少しずつでも乗り越えられていけるという希望を
ビターに描いた、傑作!!!!

kikit