劇場公開日 2016年6月17日

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「ブラック過ぎるコメディ」帰ってきたヒトラー Flagmanさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ブラック過ぎるコメディ

2020年7月11日
iPhoneアプリから投稿

一見コメディ調のタイトルとジャケットなので、蘇ったヒトラーが現代を見て慌てふためきの、どんちゃん騒ぎ映画かな?と思って観たらとんでもない社会派映画だった。

確かにコメディ調ではあるが、そのネタはなかなか攻め込んでおり、よく製作の許可が下りたなと感じた。

我々日本人からすれば、ヒトラーという人間を説明される時『独裁者』『ナチス』『ユダヤ人』『ホロコースト』など、ネガティブな印象かつ恐怖の象徴の様に伝えられます。

逆にヒトラーがドイツにもたらした功績ももちろんたくさんあるだろう。
ただ日本人にはなかなか伝わり難い。
歴史に詳しい人を省けば大半の日本人がそうかも知れません。

そのヒトラーが現代に蘇ったら?
と、また面白いこと考えるななんて思うが、この作品の本質はもっと深いところにあると気付かされました。

ラストのヒトラーのセリフ『誰もが心の中で私に共感してる』『私を消すことは出来ない。皆の心に居る』

ガツンときました。
これが言いたいのか、、、

ドイツには問題が山積みで、その中でも移民問題は深刻でしょう。
その国民たちの反発感や憤りをヒトラーという人物を現代に置くことで伝えている。

この作品が全てではないがドイツ人の本質的な物をすこし垣間見ることが出来た気がする。

それを含めよく製作許可が下りたなと思った。

全体的に面白おかしく時には深い闇を描きつつ、映画としてのエンターテインメント性もあり面白かったのだが、ラストだけモヤモヤします。

上にも書きましたが『私を消すことは出来ない』のセリフ。
これはヒトラーが自分が何故現代に蘇ったか知っていないと辻褄が合わないセリフ。

制作側はこの台詞を伝えたかったのだろうが、それにより少し都合がいい脚本になってしまった。

だとすれば中盤あたりに蘇った経緯をヒトラー自身が知る場面が必要だった気がします。

エンドロール手前ドイツ市民のヒトラーを見て喜んだり、嫌悪感を出したり。いいカットだった。

Flagman