「最高のエンターテインメント」シネマ歌舞伎 歌舞伎NEXT 阿弖流為(アテルイ) きのこさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0最高のエンターテインメント

2024年2月13日
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松竹座の初日に観てから、ずっとずっと再演して欲しいと思っている演目です。

格好良さ、ドキドキ、ワクワク、息を呑む美しさ、笑い、涙…
エンターテイメントに必要なものが大体詰まってると思います。

たぶん、月イチ歌舞伎でやる度に、映画館で観てるかもしれません。

当時、ギリギリ若手(?)の染五郎(現:幸四郎)と、バリバリ若手の勘太郎(元気に:勘九郎)、七之助のバランスが最高に良くて、脇を固める萬次郎、彌十郎、亀蔵も本当に良い。

蝦夷の長になった阿弖流為(染五郎)と、蝦夷の討伐に向かう坂上田村麻呂(勘太郎)、そして阿弖流為のかつての恋人鈴鹿/鳥烏帽子(七之助)の、それぞれの立場や思い、それぞれの正義が、蝦夷討伐という戦の中で描かれていて、今の世界に置き換えても、考えさせられるストーリーでありながら、劇団☆新感線お得意のしょうもない笑いが散りばめられていて、重たすぎず、スカッと観れるところも、エンターテイメントとして本当に凄いなと思います。

そして、エンターテインメントを追求しながらも、それぞれの芝居が本当に良く、板の上で血が通うキャラクターとして、完璧に成立しているのも、この演目の凄いところです。
そこには、よくこんなのを毎日2回、ほぼ1ヶ月休みなくやったなと、思うぐらいの、とんでもない熱量とテンション。そして、勢いだけではない、歌舞伎役者としての技量があったからだと思います。

染五郎の高潔な格好良さ、勘太郎の真っ直ぐな格好良さ、七之助の崇高な格好良さ、どれも格好良くて、大好きなのですが、個人的に、1番のお気に入りは、七之助の鈴鹿/鳥烏帽子です。
さっきから、鈴鹿/鳥烏帽子と役名を書いていますが、後半にその理由が分かります。
詳細は割愛しますが、この時の七之助の芝居は、まさに鳥肌ものです。
というか、舞台で初見の時に、本当に鳥肌立ちました。
あの場面の七之助は、多分なんか憑いてる。

また、基本的に普段の歌舞伎では、見ることが出来ない、女形の殺陣がめちゃくちゃ格好良く、ビラビラの重たそうな衣装なのに、キレキレの殺陣が出来るのは、やはり歌舞伎ならではと思います。

芸は極めるということが無いのかも知れませんが、少なくとも肉体的に最も脂の乗った時期の歌舞伎役者のパワーとその時の最高の芸を存分に堪能できる、本当に大好きな舞台です。

また、月イチ歌舞伎でやったら、映画行くんやろな……とハマり過ぎてて、ちょっと恥ずかしいのですが、本当に面白いので、毎年やってくれ!と思います。

そして、再演も、なんとか、なんとか!

元が劇団☆新感線の舞台なので、台詞も現代語で分かりやすく、演出も派手で格好良いので、歌舞伎を観たことが無い方にも、非常におすすめです。

もっと人気出て、再演しないかな…

きのこ