神様メールのレビュー・感想・評価
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旧約聖書と、新新約聖書
旧約聖書の神観に思ったよりマジレスしてる映画。
旧約聖書を知っていて、神様像に疑問を持ったことがないと、何が何だかわからないのでは……という気もする。
新しい六人の使徒というのは、新約聖書でも存在しないことになってるような人って意味なんだろうけど、あんまり上手く描けているとは思えない。
最後、ある出来事で世界の摂理が変わるのだけど、言いたいことはわかるにせよ、単純でいいねと思った。
あと、神様に旧式のパソコンを与えた誰かがいるはずだよね。さらに上位の誰かがいるってことでいいのかな。(もちろん、それは人間の想像力ってことになるが)
誰もが思っただろうけど、寿命が知らされても、意識不明のまま何十年ってことだってあるのに、あんな命知らずな行動を取る人がいるのは解せない。監督はそこまで考えなかったのかな。
監督からの「分かりやすい優しい」メール。
生涯ベスト、という映画の評価や考えることはしたことがない。生涯で好きな映画は変わるからだ。というのはあまのじゃくなオレでなくてもそうだと思う。例えば「ロッキー」が好きだったころはあっても、今では「ロッキー4」のほうが好きなのだが、それは、オレがいつ、どういう状況で観たか、ということのほうが、映画の質よりも大事だと思っているからだ。
「ロッキー」があったからこそ、スタローンはスターになったが、「ロッキー4」があったからこそ「オレの」スターになった。
映画とはそういうものだ。
そんなオレでも、いまだかつてない映画体験をした1本がある。質とか、どういう状況とか一切関係なく、オレのチンケな脳みそを揺らして、なだめて、覚醒させた1本がある。
「ミスターノーバディ」
ジャコ・バン・ドルマルの名前はオレの脳みそに刻み込まれてしまった。その彼の最新作がいよいよ公開される(というよりひっそりか)という。
観るのが怖い。うれしすぎて怖い。だが、あれ以上のモノは出てきやしないのでは、という不安もある。
気付けば、出張帰りの新横浜から直接ららぽーと横浜へ。
「神様メール」
神様批判等のくだりはここでは触れない。分からないし。
というより、そんな見方をしては、この映画の「陽気さ」「優しさ」「美しさ」を斜に構えてしまって見損なってはもったいない限りだ。
前作「ミスターノーバディ」は、人生の分岐点ですべての選択肢を実践した男が、選べる可能性こそ、「人生の豊かさ」、「人の豊かさ」と知った物語とするならば、今回は選択を奪われた人たちの、生き様をどう締めくくるか、という物語。
締めくくる、というのは、神様が使うPCからメールで余命を宣告された、というものだが、その設定はどうでもよくて、締めくくる、という状況を強制的に与えられたら何をするか、という、まあ、よくある余命もの、といってもいい。
そう、前作とは、設定が違えど、これもまた、人生賛歌。
人は重大な局面に直面すると、心のままに、行動することができるか?それぞれの登場人物を描く、ある種のオムニバスもの、と言ってもいいだろう。
それを、「とんでもない」美しい映像で描くのだから、たまらない。
特に、余命を知って保険屋から「狙撃者」になった男のエピソードが美しい。特に鏡に映った自分との抱擁。(書いても意味わからんよな)には、一瞬にして本気で涙がこぼれてしまった。
また登場人物それぞれの心の中にある「音楽」がこれまた、美しい。クラシックに疎いオレでも、なんとその人物とシンクロした選曲なのか、と息をのむほど。
前作「ミスターノーバディ」が役者、映像、音楽、脚本、演出とパーフェクトだったのに対して、今回は徹底してコメディ色を強め、前作よりも分かりやすく俺たちを応援する。
分かりやすい、というのが今回最もドルマルが狙った点なのかもしれない。
神様批判、風刺、というには、鑑賞後、こちらの心が優しくなりすぎている。
追記
次は何年待たされるのだろうか。楽しみで、不安でたまらない。
映画ならではのウソがいっぱい!
神様はブリュッセルにいる。
妻一人、娘一人。
日々の生活に飽き、創造物である人間たち相手にイタズラばかりしている。
酒好きで、短気で、妻や娘に当たり散らしてばかり。
最低のオッサン、でも神。
ある日、愛想を尽かした娘から、とんでもない反撃を喰らう。
人間たちに余命を知らせるメールを一斉送信され、指令系統のパソコンを使用不能にされた挙げ句、娘は家出。
いわば、現代のおとぎ話。
悪意とユーモアが要り混ざった、でもやっぱり笑えるお話。
原題は「新・新訳聖書」ってことらしい。
新がかぶってるね。
娘のエアを演じている女の子が、とても可愛らしい。
どこか浮世離れしていて、物怖じせず、行動は大胆。
こんな娘に「わたしのお父さんは神様なの」と言われたら、確かに信じてしまうかもしれない。
登場する6人のエピソードは、なにか元ネタがあるのかもしれないけれど、僕には分からない。
性的妄想に囚われた男のエピソードは、同じ独身男として共感できるところはあった。
あんな強烈な妄想は抱いたことないけども。
意地悪く考えれば、余命を知らされたら社会はもっと混乱するだろうし、自暴自棄の輩のせいで犯罪も増えそうな気もする。
でも、この映画は、そういうリアルは描かない。
そこが魅力のひとつ。
ネタバレになるかもしれないけれど、ほっこりした気持ちになれる、楽しい映画でした。
デートムービーとしてもオススメです (^^)
破壊なくして創造なし!
男は潰しちゃう、女は救っちゃうみたいな感じで、父が神様、母は女神、兄はキリスト、主人公はキリストの妹という雑な設定に、神様は世の中をパソコンで作るという雑な設定が折り重なって、「細かいことは気にすんなよ」的な世界観についていけるかどうか、あと神様の行動をどう思うかがポイントでしょうか。
6人の使徒を探すというところが意味合いがあって掘り下げると何かありそうです。
女の子は主役を張るだけのことはあってキュート。
退屈はしましたが、ムダに深読みしながら観ることはできる作品でした。
かつてオリーブ少女だった人なら多分好き。
キュートな外見の割には危ういモノを内に秘めた映画です。
笑えるシーンもふんだんにあり、最後まで楽しめました。
といっても半分以上ブラックユーモアだったような気もしますが。
神様があまりにも最低な描かれ方をしているので笑いながらちょっとハラハラしてしまいました。フランス、ベルギー、スイスではヒットしたとのことですが、なんか大人な国ですね。
ストーリーも音楽も映像も個人的には丸ごと全部大好きです。
人間の、きれいごとでは済まない部分もこってり描かれていますが、それすらも自分自身の大事な場所にたどり着くための道しるべなのかもしれません。
寡作なジャコ・ヴァン・ドルマル監督ですが次回作も必ず観に行きたいです。
今作の予告編ではスタッフやキャストのクレジットが一瞬しか映らなかったので監督の名前も見落としてしまっていました。次回作の時はもっと監督の名前を押し出してください。よろしくお願いします。
あんなJC、欲しい!
主人公のエアちゃんがミラクル可愛い。
そんなエアちゃんの父が、神。
超ブラックの神。
や、神と言うより、悪魔。
キレて斧を振り乱し、子供部屋のドアを
バッキバキの、バキバキ!!に、
壊して突入するシーンが地味にお気に入り。
かと思いきや、
ヨーロッパ作品らしい映像美に
ハッ!!とすることもしばし。
JC(エアちゃんの兄でキリスト)が
無駄に美少年で、
あんなJC像、我が家にも欲しい。
可愛いエンドロール後にあんなことも!
しっかり最後まで見て帰ってくださいね♡
考えれば宗教的にアヴァンギャルドなすごい作品。
オサレムード満開で、実際オサレでエスプリが作品なんだけど、デートに使うのはたぶん厄介、という困った一本。
主演の女児もまあそれはかわいらしく。
映像も音楽もオサレ、エスプリ(って今使う人間がいるのか?)も効いた良品なのは間違いない。
ただ物語の背骨に、日本人の大半が認識していない宗教感である「神」があり。
物語の基本的なガイドラインが「聖書」という点を考慮できるかどうかが問題かと思う。
その「神」をどうしようもないゲス男として描いたのが痛快だったし、「水の上を歩ける?」などといった聖書アイテムで要所要所ツボを突く話運びが面白かった。
まぁその逆説的宗教要素の分、これ以上複雑にしないためにも物語がシンプルになるのはしょうがないことだと思うのだが。
それで「わからない、退屈」と卑下にされるか、分かった顔した「意識高い系」のファッションアイテムにされるかなのが本当にもったいないと思う。
本編自体は「シニカルでカラフルな絵本」のような映画なんだけれどもね。
「へ~」と素直に楽しむか、「そんな話が合ったよな」くらいの聖書知識があれば万全。
あるいは古くは「アメリ」、最近なら「リザとキツネと~」が好みならば観て損はない欧風キッチュな作品。
ちょっと意外な…
可愛いポスター見て面白そうと思ったら、ちょっと違った。
なんで神様があんなに性格悪いの?気分があまり良くない。
人が困るような悪戯仕掛けるのが大好きなタイプの人には受けるだろうけど。サイテー。
所々映像が綺麗だったことと、娘のエア、彼女が可愛いかったから見れた感じ。
女神様のセンスにちょっこっとだけ心がほっこり。
悪フザけが過ぎる
余命が長いから何度も色んな方法で飛び降りる彼奴のオチが最高。
普段、生活をしていて理不尽に感じる事柄が全て神様の仕業ってナイスな発想で。
子供の青春モノやファンタジーには行き過ぎず子供に観せられない映像も所々でバランスは取れていた。
監督の前作「ミスター・ノーバディ」よりか観やすくはなっているが知的要素があるようで全体的に冗談が過ぎる感じが鼻に付く。
キリストの現代版的なキュートな映画。
個人的傑作「オーバー・ザ・ブルースカイ」のブルーグラスなカウボーイが神父役に。
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