「ボンクラども、みんな集まれ！」珍遊記　好きこそモノのヘタレなれさんの映画レビュー（感想・評価）

松ケン以外は満点！の、とことんまで気持ちよくばか馬鹿げた事を全力で振り切った一本。

初っ端から「『伝記』じゃなくて『伝奇』だろ？」という突込みから開始

ヒットメイカーではないが、山口雄大監督はやはり天才だと改めて実感した。
力任せの勢い・テンポ・ツボを突く配役、何よりも「大真面目に全力で『ショんない』ことをやりつくすその姿勢。
ハジけた漫画原作を映画にするなら、彼以上の手腕は今の日本には無かろうと思う。

ただ、最近どうにも省エネ演技が板についてきた松ケンのみが残念。
原作を読んだことが無いのかな？と思うくらいに、（禿ヅラでケツも出すけれど笑）「いつも通り」の演技だったのに観ていて興ざめした。
脇役が絶妙（チョイスも含めて）だっただけに、本当にもったいない。
「変態仮面」の鈴木氏以上に、「何をやっても許される場」を与えられたのに、本当に。

そこ以外は阿呆らしさを馬鹿馬鹿しさでコーティングして、晩餐会に持ち込んだような快作。
言葉は悪いかもしれないが『原作のまんま』の勢いをそのまま映画にして、さらにメーターを振り切った作品。