劇場公開日 2016年6月18日

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「今後のJホラーに影響を与える作品。」貞子vs伽椰子 さぽしゃさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0今後のJホラーに影響を与える作品。

2016年7月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

人をコントロールするのは、"恐怖"と"お金"
を頭に叩き混んでいる私としては、最近思うところあってJホラーを勉強し直しています。勿論それまでも、"リング"の一連の作品、 "呪怨"の一連の作品、欧米の雑誌などでホラー映画ランキング上位にあげられる"オーディション"とか" 女優霊"など、有名どころは観ていました。

で、最近、その"呪怨"の一連の作品の中で、三宅隆太監督の" 呪怨 白い老女"を観る機会があって。
ちょっと、Jホラーへの評価を変えたんですよね。
三宅監督は現在、芸大で講師をされているんです。なので非常に、「ホラー映画って、人が怖がる手法ってこんなんですよ」っていう、教科書的な映画を撮られてるんです。
いや、凄く、勉強になりました。
なるほどこのキャメラアングルで、この音楽で、このタイミングでこのトーンでこの台詞、この表情で!
ドーン!
計算尽くされた恐怖だったことに、遅まきながら気付いたんです。
すげ。Jホラーすげ。
こんなテンションで、観て参りました。
※観たのは先月なので、ちょっと記憶が曖昧です。
すみません。

貞子と伽耶子。
日本のホラー業界を支える、二代キャラですね。
映画を観てると、歴史的瞬間に立ち会う時がありませんか?
この作品から、この映画ジャンルが変わった!みたいな。
え、ゾンビが走った!?みたいな。
え、「クララが立った!?」みたいな。
本作も、それに該当すると思われます。
今後のJホラージャンルの方向性を、大きく変える作品ではないでしょうか。
冒頭でJホラーを勉強し直す!と宣言しましたが、それ以外にも本作を映画館で観ようと思った理由があります。

恐らく本作を観に来る大半の観客は、普段の日常生活で、はたまたよく行く映画館では、あまり接点のない属性の方々だと思われたからです。
なんというか、映画をアトラクション的に楽しむという、感覚も忘れたくないし。
そう、最近、頭で考えすぎのような自分の"感覚"に喝!です。
いやー、例えるなら、私的には「冷温水映画」でしたね。
だって、映画館で初めて見ました"スクリーン"をスマホで撮ってる人(笑)"
やべ!やっぱ、あのキャメラ頭の注意喚起する人、いるんじゃん!みたいな。
また、みんなリアクションがいい!普通にいい!
本作の前にウッディ・アレンの「教授のおかしな妄想殺人」を観てたんですが、あきらかに隣にいた叔父様とは違う反応。
新鮮!
映画館でみんなで一緒に映画を観る!という楽しさに、久々に感動しました。

さてさて内容的にはですね、呪いのビデオを足がかりにして、呪いの増殖(リングウイルス)をはかる貞子を退治するには、呪いの家=伽耶子宅に入った人を全員呪い殺す伽耶子をぶつけるしかない!毒を以て毒を制す、その結果は!?みたいな感じです。
ちょいちょい突っ込みをいれたくなるシーンはありますが、てか、そこも含めてホラーの楽しさだと思います!
言い切ります。すみません。

また安倍晴明的な?古くは"孔雀王"の三上博史的な?ポジションの、霊媒師:常盤経蔵役の安藤政信くん。久々かっけー役で良かったです。ただし、パートナーの盲目の霊媒師?珠緒の子役ちゃんの演技が最近希に見る雑さで、びっくりしました!
でもね、Jホラーに丁度良いくらいの演技力なんです(笑)
そういうとこ含め、楽しめた!
冒頭にも書きましたが、本作の結果は、今後のJホラーに影響を与えそうです。

「クララが立った!」的なJホラーの歴史を変える本作を、周りの観客の反応含め、映画館で楽しんでみてはいかがでしょうか?
冷温水的に(笑)

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さぽ太