劇場公開日 2016年7月1日

  • 予告編を見る

「ファンタジーの道のりはいつだって険しいが、本作の今後の展開(製作)も前途多難」ウォークラフト 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5ファンタジーの道のりはいつだって険しいが、本作の今後の展開(製作)も前途多難

2017年1月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

単純

興奮

ダンカン・ジョーンズが以前手掛けた「月に囚われた男」「ミッション:8ミニッツ」は斬新な作品で非常に面白かったが、せっかくの才能も題材によっては萎んでしまう。

基となった世界的人気のオンライン・ゲームはタイトルすら聞いた事無いので、一本のファンタジー・アドベンチャーとして鑑賞。
こういうジャンルは好きなのだが、それでも本作は何だか微妙だった。

まず、出てくる種族も世界観も見た事あるものばかり。
全く以て新味ナシ。
あの作品の名は挙げないが、比較されても無理は無い。

次に…と言うより、自分が最もしっくり来なかったのは、話そのもの。
主軸となる話が見えてこない。
最初にオーク側、人間側、それぞれのキャラや設定の紹介があり、程なくして、定住地を求め人間世界に侵攻しようとしているオーク族と平和な国を守ろうとしている人間たちが対立しているのが分かってくる。
で、それぞれの陣営に戦いに疑問や葛藤を抱えているメインキャラが居るが、争いは避けられず。
ここが重点となって、何か話が大きく動くのかと思ったら、ただただ人間vsオークだけ。
フェルとか言う力が徐々に双方に脅威となるが、今一つ盛り上がりに欠けた。
何かこう、目的となるような話の重要要素が欲しかった。

また、明らかにシリーズ化を意識した終わり方なので、どうも中途半端。
幾ら中国で大ヒットしたからと言っても、アメリカでは大コケしたので次は無いだろう。

良かった点もある。
人間=善、オーク=悪としてない点。
中でも、オークの氏族長、デュロタンが気に入った。
妻子や仲間を愛し、残酷なオークの首領、グルダンに反発。誇りと命を懸けて立ち向かう。
本作のどのキャラよりも秀逸であった。惜しむらくは…。
醜い悪役として描かれるオークにドラマとキャラ描写を持たせたのは特筆すべき点。
心を通わせる人間の血も引くオークの女と人間の勇敢な戦士、人間同士の対立、オーク同士の対立などは悪くなかった。

スケールもバトルも迫力充分。
最新技術を駆使したオークの造型も見事。
一ファンタジー・アドベンチャーとしてはそれなりに楽しめるが…、ダンカン・ジョーンズには斬新な作品を手掛けて欲しいとやっぱり思ってしまった。

近大