劇場公開日 2016年3月19日

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「非常に抽象的だけれども─」父を探して SHさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0非常に抽象的だけれども─

2016年3月18日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

色彩豊かで二次元三次元の表現を巧みにしかも自由に構築しながら、抽象的な世界観から現実的な世界を再現させて、結果的に心にしみるストーリーを提示してくれた。
実に知性あふれる作品であった。
最初の物語の提示後すぐに、目眩く幻想へと引きずり込まれ、半ば意識が映画とは別の方向─瞑想、眠り…、創造など─に行って、合間合間で現実世界に引き戻され、最後、現実の時間軸に完全に引き戻された瞬間、言い知れぬ涙が止めどなく流れてきた。
同じような境遇を持った人、全く違った境遇の人、様々な人がこの作品を観賞することだろうが、多くの共有部分がそこにはある。
全国展開の巨大スクリーンでの上映を欲するところだが、フェスとかでなければ大画面での上映は望めないのであろうなぁ、こういった作品は─。非常に勿体ない。

SH