劇場公開日 2016年1月30日

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「終始ハラハラドキドキ!デニスの息遣いが伝播する!」ドリーム ホーム 99%を操る男たち Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0終始ハラハラドキドキ!デニスの息遣いが伝播する!

2016年2月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

「スパイダーマン」でお馴染のナイーブな役処が巧い、アンドリューガーフィールド主演のこの作品終始ハラハラドキドキされました。
彼が演じるこの映画の主人公デニスは、大工さん、といっても家を建てるだけでなく、電気の配線から何まで家のメンテナンス総べて請け負うオールマイティーの、言うなれば「何でも屋」の自営業者?悪く言えば、単なる日雇い職人といった類。でも仕事をやらせれば優勝だけれど、リーマンショック後の不景気で、建築業界はどん底で毎日の生活を営むのも難しい技術者だ。実際こう言う人がアメリカでも多くいるようだ。
更に彼は母と息子の3人暮らし。そして彼自身も銀行に金を借りて家をリフォームしていた事で、その支払いが出来なくなり、差し押さえられた家を遂には手放し出て行かなくてはならない羽目になる。
母親と息子とデニス達3人は暫くモーテルで生活をする事になる。
そして、ここからのデニスの反撃、逆転劇の展開が始まる。その逆転により様々な問題が浮上するところがこの作品の見所です。
日々日常的にこう言う事態は起こり得る現実であり、競争社会では当然の事なのだろう。しかし、この作品は俗に言う、勝ち組と負け組との両方を描きつつも、弱い者の目線でしっかり描いている分、庶民には共感が得やすい作品かも知れないですね。しかし、どう考えても家を購入出来そうもない低賃金の人達にも金を貸してマイホームの幻想を持たせてしまった経済戦略が有り、それを破綻させ、その中で大きな利益を得た人達がいたのだから、先行き破綻が見えるような戦略をした社会批判ドラマといった処の作品でした。
アンドリューは勿論の事、母を演じたローラ・ダーン。アンドリューの雇用主となった不動産ブローカーリックを演じたマイケル・シャノンや、デニスの息子を演じた子供も可愛かった!
と言うわけで、アメリカの厳しい現実社会、熾烈な競争社会の中で生きる人々の日常がリアルな作品で、映像作品としては終始ハラハラドキドキとデニスの気持ちが伝わる作品で面白い出来だったと私は思う。
これをアメリカの光と影と見るか? 競争社会の歪と捉えるか、或いは極当然の日常の現実と捉えるか、評価の分かれる作品かも知れない。
さて貴方なら、どんな判定を下すのだろうか?

ryuu topiann