劇場公開日 2016年12月17日

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「見るべき所はある映画」ヒトラーの忘れもの okaoka0820さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5見るべき所はある映画

2020年2月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

的を絞った題材で、描いている範囲は非常に狭い。これをもう一段上の作品に仕上げるとなると、おそらく前後の物語を描かなければならない。たとえば、少年兵在る一人にフォーカスして、生き別れた家族も描くとか。そうすると、「家に帰る」というドラマが生まれる。

しかし、それをこの作品ではせず、コンパクトにまとめている。だから、短編映画ぽい。
その中で、賞賛されるとしたら、緊迫感のある演技。ここは突出しているし、必見だと思う。
たとえばこの場面。怒鳴り散らす軍曹を目の前に笑いが込み上げる少年兵。何が可笑しい、と軍曹はビンタを連打する。これ、少年兵役は素で笑っているぽい。カットとなりそうなところ、軍曹役はマジのビンタを入れて、少年兵の顔を強ばらせる。これを許容する演出力は鬼気迫るものがある。
あと、少年兵たちの顔の汚れ方を見ても、はい、よーい、で汚しているものではなさそう。かなり追い込んだロケを行なったのでは。

ということで、見るべき所はある映画。しかしながら、ナチスの残した地雷だし、この映画見ただけの立場の解釈はできかねる内容。

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