劇場公開日 2016年3月18日

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「犬は知っている」リリーのすべて kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5犬は知っている

2023年4月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 犬を飼うとき、オス・メスの性別なんてそれほど問題にならない。繁殖を目的とするとか、生理は家が汚れるから嫌だとかはある。そして犬のほうから見ても飼い主が女性であるか男性であるかは関係のないこと。映画の中では夫婦どちらにも懐いているのでとても愛らしかったです。

 まずはタイトルの“The Danish Girl”デンマーク人女性をそのまま使わなかったことが興味深い点。もちろん主人公エディ・レッドメインが女性の一面が出てくるときには「リリー」と名乗ってたのでその半生記とも言えるのだろう。ただ、百合族という言葉も浸透しているし、百合の英語がLILYであることも引っかかるのです。日本じゃ薔薇族なんてのもあったしね・・・漢字書けません。

 最も印象に残ったのがのぞき部屋。男性の性欲を高めるためだとばかり思っていたのに、なんと女性の仕草を研究していたリリー。この頃になると女性化する彼も歯止めがきかなくなっていました。妻のゲルダは後悔もしたでしょう。女性モデルを頼んだり、助走してパーティに出席したり・・・キスを迫ったヘンリクの存在も断ち切らねばならないと。

 しかし、幼少期に同級生のハンスとキスしたことがあるという過去を夫から聞き出したあたりで、性同一性障害について理解を深め、愛する夫のために最善策は何かと模索する。『ミッドナイトスワン』も思い出した。世界初の性転換手術・・・切除だけで止めてもらいたくなった。膣形成したって・・・

 そんなこんなで妻役のアリシア・ビカンダーが助演女優賞を獲得しましたが、レッドメインのほうは主演男優賞ノミネートどまり。もしかしたら主演女優賞でも良かったんじゃないか!そろそろ女優賞、男優賞、ジェンダー賞を創設する時期に来ています!

 そんなこんなで、やっぱり決断のシーンは泣けてきました。ウルウル。わたしは泣いています、ベッドの上で。

kossy
りかさんのコメント
2023年11月28日

詳しいことわかりませんが、
なぜ膣形成するか、切除だけでは
不都合があるらしく、   とか読みましたが、
ご興味ございましたら、お調べください。すみません。

りか
りかさんのコメント
2023年11月28日

こんばんは、改めて拝読させていただきました。
犬🐕は飼い主の性別を意識します。少なくともうちの以前いた犬は。雌で、一番に父、二番目兄、後は無し。父が散歩に連れて行く時は、小躍りというかジャンプしているかのように歩いていました。女が連れて行くと、トボトボ。ハッキリ❗️していました。
犬🐕によるかと思います。

りか
きりんさんのコメント
2023年4月4日

kossyさん
「死霊の盆踊り」はゲオの郵送レンタルで借りられまっせー(笑)
見ずして人生 終えるなかれ。

きりん
ぷにゃぷにゃさんのコメント
2023年4月2日

確かに犬は飼い主が男か女かなんて、気にしないでしょうね〜。
人間はめんどくさい生き物ですね。

たまたまwikipediaで、この映画のモデルになった人の記事を読みました。
実物は見た目からして女性的だったらしく、男の服装をしてても、女性が男装しているようにしか見えなかったらしいです。
時代や社会の価値観に合わず、相当苦しんだかと思うと、気の毒ですね。

ぷにゃぷにゃ
talismanさんのコメント
2023年4月1日

私もこの映画でいろんなこと考えました。レッドメインは、シスの自分がこの役を演じるべきでなかったとちょっと前に言ってました。でも性自認も性指向の区別差別なんかどうでもよくなって問われない状況があらゆる職業で可能になるまでは、俳優が理解して勉強した上で演じることがまずは大事だと思います。だから「エゴイスト」の鈴木亮平と宮沢氷魚とスタッフと2丁目のお友達役は本当に素晴らしかったと思います。

talisman