劇場公開日 2016年3月25日

「「芽を『摘む』のではなく『育て』、人を『殺す』のではなく『生かす』。」」暗殺教室 卒業編 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0「芽を『摘む』のではなく『育て』、人を『殺す』のではなく『生かす』。」

2016年4月1日
PCから投稿

悲しい

楽しい

興奮

【賛否両論チェック】
賛:前作の知識はなくても大丈夫。先生のために悩み葛藤し、答えを出していく生徒達の姿に、感動させられる。そんな彼らを見守って来た先生の、悲しくて切ない過去や、それでもなお生徒達を包み込む愛情も、印象に残る。
否:〝教育現場で暗殺を目指す”という設定が、どうしても賛否あるのは、仕方のないところか。終わり方がやや都合よすぎる感もあり。

 本作では、前作でその絆を確かなものにした主人公達が、最愛の先生でもあり暗殺の標的でもある〝殺せんせー”を殺すのか救うのか、迷いぶつかり合う姿が印象的です。ただそのどちらの意見にも、根底にあるのは「先生への敬意と愛情」。そんな想いを胸に、必死に自分達なりの答えを見つけようと奮闘する生徒達の姿に、思わず胸が熱くなります。
 そして今回は、謎に包まれていた「〝殺せんせー”の正体」にも、スポットが当てられていきます。殺し屋として、悲しい過去と運命を背負いながらも、自分を想ってくれた人との約束を果たすために、精一杯自分に出来ることをやって来た彼の人間性にも、改めて感慨深いものがあります。
 キャストの皆さんも相当豪華です。クライマックスはやや物足りない感が残るかも知れませんが、それでも3年E組の絆に、十二分に感動させてもらえるストーリーです。是非劇場でご覧下さい。

映画コーディネーター・門倉カド