劇場公開日 2016年5月21日

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「若手有望株の無駄遣い」ディストラクション・ベイビーズ オレさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5若手有望株の無駄遣い

2017年5月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

愛媛県の小さな港町で喧嘩に明け暮れる泰良か所も人も構わず喧嘩を吹っかけながら闊歩していく様を描いたロードムービー。

主演に柳楽優弥、共演に菅田将暉、小松菜奈、村上虹郎、池松壮亮と2016年の時点で既に贅沢であったろう演技派の実力派を揃えたキャスト陣。
まず言いたいのはこんなに器用な若手揃えてなんてもったいないことをするんだろうか。。といったこと。
こんなに登場人物らの心境を理解できない作品久しぶりに観た。
主人公の泰良が喧嘩をする理由もその弟翔太が兄を探し求めて苦悩する理由もよくわからない。
最後にその目的が明かされるのかと思いつつ観続けるももとくにそういった言及もなしに終了。
観客に考察を丸投げしてる気がした。
もう少し各キャラクターのバックグラウンドの描写もあってもよかったろうに。

理解するといった意味ではだいぶ難しく厳しい評価になる作品。
しかし雰囲気と役者陣の演技力といった点はだいぶすごい。
冒頭、地元の港町を抜け出して繁華街へと繰り出す泰良。目的地もなくフラフラと歩く薄汚い格好をした泰良の背中を長回しでゆっくりと撮り続けるシーン。
なぜかわからないがここに痺れた笑。そして突然歩いていたバンドマンに襲いかかる泰良。まったくわけがわからないが柳楽優弥の放つギラギラの狂気にヤられた。

そしておよそだいたいの人がご覧になって感じたであろうことがこんな菅田将暉は見たくなかったみたいなとこかなと思う笑。
泰良の圧倒的な強さに憧れ、面白そうだという理由だけで泰良に帯同。猛獣使いの気分で泰良を意のままに操り、自身も強くなった気になり、主に女性に暴力を振るカスぶりを披露。
徐々に自身の手に余る行動をみせる泰良にイラつきを募らせ、半ば拉致扱いのように同行させることになった那奈を叩く怒鳴る蹴るなどやりたい放題。
小松菜奈は菅田将暉と共演するたびに乱暴されている気がする。弱みでも握られてんのか?笑

良く言えば演技派の雰囲気映画、悪く言えば雑なバイオレンスムービー。
歩いているだけで様になる、柳楽優弥の怪演は必見モノ。いつの間にかこんなに立派になりやがって。。(向こうのが年上)
あとTHIS IS 向井秀徳が劇伴を担当していたらしいが冒頭とラストにお得意のギュイィィィィィンンンギターリフが流れてくるくらいでそんなにテンション上がらなかった笑。
何よりタイトルが使いたかっただけなのかもね。

オレ