劇場公開日 2015年11月14日

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「良い意味で普通に楽しめる作品」ラスト・ナイツ えのきちさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0良い意味で普通に楽しめる作品

2015年11月15日
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『ラスト・ナイツ』を鑑賞。
紀里谷和明監督の最新作で、ハリウッド初進出作品となっている。
紀里谷監督と言えば、宇多田ヒカルの元旦那で、もはや伝説として語られる駄作「CASSHERN」や少し改善が見られたものの奇抜な色使いや演出で決して良作とは言えなかった「GOEMON」を世に公開した監督である。さて、ハリウッド進出作となる今作はどうか。

中世ヨーロッパを思わせる架空の世界を舞台にした作品となっており、物語は忠臣蔵をベースに、武士道を騎士の掟に置き換えて展開する。
主君に忠義を尽くす武士(騎士)達の物語である。

結論から言えば、良い意味で普通に楽しめる作品に仕上がっている。ストーリーは意外性こそないものの脚本も上手く纏まっているし、世界観も統一感があって違和感は感じなかった。
重厚なサウンドや音楽も雰囲気を盛り上げる。

ただ、終始グレーを基調とした画面展開は暗く決して見やすいとは言えない事と、俳優陣に今ひとつ華が無いこと。そして忠臣蔵をベースにしている事からなのか「SWORD」の訳が「刀」となっている事が気になった。戸田奈津子さん、ここは「剣」で良かったのではないか。

「ファンタジー世界で描かれる忠臣蔵」

日本人監督がハリウッドに打って出るには悪くないテーマであろう。
海外での反応が気になるのと同時に、紀里谷監督の次回作にも期待したい。

えのきち