「後方から、ゆっくりと近づいてくる死の恐怖」イット・フォローズ @Fxxk4everさんの映画レビュー(感想・評価)
後方から、ゆっくりと近づいてくる死の恐怖
セックスをすると「それ」は移る。逃れるには、誰かとセックスして「それ」を移すしかない。普通の人には「それ」は見えない。「それ」は見知らぬ他人や、近しい人の形をして、ゆっくりとだが、生活しているところに、歩いて迫ってきて、追いつかれると殺される。動きF持続性Sの近距離パワー型で、自動追尾してくる悪霊。移したとしても、移された人が死ぬと、「それ」が戻ってくる。一度移された人には、「それ」が見えなくなる事がない。だから、安心できない。
女子校生のジェイは、最近知り合ったイケメン、ヒューと一夜を過ごすが、次の日、「それ」の存在を教えられる。ジェイの友達のポールとヤラ、妹のケリーに加えて、向かいの家のチャラいイケメン、グレッグが、姉の様子がおかしい事に気付き、助けようとするが、、、
リングなどのジャパニーズホラーに通じる、じわじわっと怖い感じが、この映画にはある。
最後の10分ぐらいがすごく惜しい。こういうのって「なんで?」とか「どうやって逃げる?」とか必死で考える展開になるはずなんだけど、それが少ない。最初と同じ感覚が、ずっと続く。怖いかも、で終わった。
メッタメタのメタファー。「それ」は「死」のことですよね、きっと。
気になったポイント
・授業中に窓の外を眺めてたら、「あんたダレ?」な婆さんが、校庭をゆっくり歩いて迫ってくる。ただただ婆さんが真っ直ぐ歩いてくるだけ。でも怖い(ウソやろ
・心配してジェイの部屋にやってきたヤラの後ろから、背の高い男に化けた「それ」も無言で一緒に入ってくる(ウソやろ
・車で逃げたグレッグの別荘で。みんなで浜辺の椅子に座ってたら、後ろから歩いて「それ」がやってくる。みんなうろうろしたり、近くを横切ったり、目の前を通ってるのに、「それ」がジェイの後ろにきて、ジェイが捕まるまで気づかない。見えないから当たり前(志村、うしろ!
・グレッグ(チャラいが、頼りになるご近所のにいちゃん)は、母親の姿をした「それ」に一撃で殺されて、犯された(ウソやろ
・最終決戦で、「それ」のいると思われる空間を狙ってポールが撃った銃が、ヤラの脚に当たった。下手くそすぎ(ウソやろ
・最後に、ジェイは手を繋いで前を見て歩いて行く。微塵も、後方から迫る怖いものを感じていない(死の克服?
とはいえ、「フォロワー」が出るだろうなという、新ジャンル。ちゃんとした、リメイク版が見てみたい。