劇場公開日 2017年1月27日

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「彼は、英雄か。犯罪者か。」スノーデン 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

1.0彼は、英雄か。犯罪者か。

2017年2月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

決まっています、犯罪者です。

「高給と地位を捨ててまで誰があえて告発するのか?」的なセリフを言うが、要は機密性の高い職場の重圧に負けたのでしょう?
一企業の粉飾決済の隠蔽とかのレベルではなく、国家レベル、しかもアメリカの、だ。その成果がテロを未然に防ぐことにつながっている。(とはいえ、アメリカの血も涙もない決断には唖然とはするのだが)
様々なSNSで自分の個人情報をダダ漏れしておきながら、監視されているって怒るのもどうかなと思う。テクノロジーはそこまで進歩している。テクノロジーはさらに進化こそすれ後退はない。いやなら、ネット環境もなく、携帯電話も持たず、外にも出歩かず、世間から閉ざされて生きていくしかないのが現実。
技術的にすでに”国民監視”が可能な現状であるならば、それを公正的確に運用することを模索するのが建設的だと思う。

この事件の弊害が、もしかしたら今回のトンデモ大統領の誕生につながっているとも限らないような気がするのだが。どう見ても叩けばスキャンダルまみれの人間が大統領なんてね。ロシアにキンタマを掴まれているとしか思えない。

世の中、正しいかどうかが判断基準のすべてなのだろうか?
嘘も方便という。要はその嘘に、施政者の誠実さがあるかどうか。僕は彼を英雄視する言論に、同調できない。

栗太郎