劇場公開日 2016年2月11日

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「これほど美しい愛があるだろうか」キャロル 1799さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0これほど美しい愛があるだろうか

2016年2月19日
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泣ける

知的

もしもこれが男女の愛を描いていたのなら、ただの陳腐な映画に終わっていたかもしれない。
女性と女性の愛だからこそ、美しく儚く輝いたのでしょう。

キャロルは綺麗で、テレーズがとても可愛かった…!キャロルの喫煙がまた似合いすぎて…!!

絶妙なカメラワークと美しい音楽に彩られた2人の愛の物語は、クリスマスに娘のプレゼントを買いに来たキャロルとデパートで働くテレーズが出会うところから始まります。

このきっかけから2人が距離を縮めるまでの過程が、また実にすごくいい。キャロルの離婚問題とテレーズの結婚を迫る彼氏が巧妙に挟まり、まさに障害があるからこそ燃えるがごとく、2人の愛は深まっていきます。

映画を見ている私たちは、この2人の禁断の愛の一部始終を見る、言わば目撃者。
一緒に2人の行く末を見ているからこそ、終盤になるにつれて、切なさが増します。

うまくいってほしい、けれど、うまくいったところで幸福が待っているとは限らない。そんな現実に、さらに胸が締め付けられました。

かつて今までこれほど美しい愛があったでしょうか。

ありきたりな御涙頂戴・御都合主義の恋愛映画に飽き飽きしてる人には、ぜひ見てほしい作品です。

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1799