ウディ・アレンのザ・フロント

解説

ウッディ・アレンが主演を務めた社会派コメディ。1950年代のハリウッドを揺るがせた共産主義者追放運動=赤狩りを背景に、脚本家に名前を貸したことから思わぬ騒動に巻き込まれてしまう男を描く。ニューヨークで活動する脚本家ミラーは、共産主義者のブラックリストに名前を載せられたために仕事ができなくなってしまう。そこで彼は、行きつけのバーで働く冴えない男ハワードに名前を貸してもらうことに。ミラーが書いた脚本は好評を呼び、ハワードは人気脚本家として一躍脚光を浴びる。ところが、やがてハワードの元にも赤狩りの調査の手が迫り……。自らも赤狩りのターゲットとなった経験を持つマーティン・リットが監督を務めた。

1976年製作/90分/アメリカ
原題:The Front

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映画レビュー

5.0ウォルター・ソル・バーンスタイン

2020年5月10日
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1976年の映画で ウディ・アレンの… とタイトルがついているが、監督はマーティン・リット
脚本家ウォルター・バーンスタインが 自身の経験を元に赤狩り時のショービジネス界を描いている

アレンが 名前貸しをする男を演じているが、あの時代に彼がいたら…と思わせ面白い
(こういうタイプは あの時代存在しないが)

脚本家達は まだ逃げ場があったが、俳優達はもっときびしい
悲運のボードビリアンをゼロ・モステルが演じていて印象に残った
酒瓶を抱え鏡に微笑む姿は 遺影に見え、とても悲しい

ショービジネス界は ユダヤ人が多い
彼等から著名な共産主義者、左派グループ指導者が排出され 労働組合を牛耳ることになるから標的にもされる
これにアメリカの反ユダヤ主義が 相まって混沌とする様子が描かれている

また KGBがユダヤコミュニティーの中に多数の情報提供者を保持していた
非米活動委員会とショービジネス界の対立だけでなく、スポンサー、局(スタジオ)の思惑も入り乱れる
(弱みにつけ込んで 買い叩きやリストラも)

バーンスタインはこれで 1977年の全米脚本家組合とアカデミー賞の最優秀脚本賞にノミネート

しかし 1995年「ヴェノナ文書」が一斉公開され、彼が共産主義者で情報提供者であることがわかる

私の頭も混乱
シナトラの〈ヤング・アット・ハート〉も印象的

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jarinkochie

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