あんのレビュー・感想・評価
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優しさに包まれる
沢山、涙が出た。
あの、心優しいおばあちゃんが、ハンセン病差別のせいで隔離され、苦しい思いをして生きてきたのを知り、すごく許せない気持ちになった。
ハンセン病の人を差別するような、人権を無視するような法律が過去に存在したことに腹が立った。
おばあちゃんは我が子を授かったのに、愛し合って授かったのに、嬉しかっただろうに、子供を産むことを許されなかった。国に許されなかった。ひどいな。
おばあちゃんのことが愛おしいから、素敵な人だから尚更、愛着が湧いて、大好きな人を苦しめたものに腹が立つ。
映画とは、そういうものなのだ。
ただのエンターテインメントではなく、存在意義はこういうところにもある。
中学生の子は、あそこが居場所なのだ。家に居場所はなくても、あの暖かいどら焼き屋さんがあれば、あの子は生きていけるのだ。
日常にあふれているはずの風景がとても美しく映し出されていて、太陽や月や風に話しかけたくなった。もっと些細なことのメッセージを受け取りたいと思った。
情報やエンターテインメントが溢れているけど、もっと近くにいつもある、当たり前の中に感動やメッセージがあるのかもしれないと思った。
見終わったら、大切なものを思い出せたような、じんわりと暖かな気持ちになった。
置かれた所で咲く
借金のため嫌々ながら店を営む元受刑者と、元ハンセン病患者との心の交流。母親の死に目に会えなかった男性と、強制的に堕胎させられた女性。
どちらも何らかの自由がきかない「囚われの身」。
外界の輝きを見て、自然の声を聞く。
"The Tree of Life"を思わせるような美しい映像が挟まれます。
客足が遠のく過程はあまり詳細に描かれていません。言わずもがな、ということでしょうが、人的な「風の便り」は時に残酷です。
人間の外見が皮で、心があんなら、皮の見た目は重要でない。皮はあんを包んでいれば良い。大切なのはあん。主役はあん。
「私達はこの世を見るために、聞くために生まれてきた。だとすれば、何かになれなくても、私達は、私達には生きる意味があるのよ。」
すぐそばにあるもの
差別が根底にあるのだけれど、それよりも人が生きて老いていく、ごく当たり前の事が普通に描かれている。樹木希林の演技があまりに自然すぎて、誰もが自分の母親やおばあちゃんと重ねてしまうはず。小豆が苗から実り、あんに変わるように、人間もあらゆる出来事を受けとめながら、歳を重ね熟成していく素朴さを感じた。
これは是非見てほしい。
和菓子職人の話かな、と思ってたらとんでもない。初河瀬監督作品でした。
希林さんと永瀬さんの交流が、心温まり。そして電話を持たない希林さんとの手紙の往復。泣けましたね。ラスト。これは後世に残してほしい、作品です。
余談ですが、永瀬さん演じる店長。もしかしたら深夜食堂の「マスター」みたいになってるかもね。
いろんな人に薦めたい映画
何気ないところでホロリと泣ける
動物の偏見を持つ性に
沸沸と憤りを感じる
自分の中の偏見を
一つでも多く、生きている間に
減らしていきたい
鳥のさえずり
日差しが眩しい
風が吹く
お月様が綺麗
暑いときには
誰かが扇いでくれる
寒いときには
暖かいものを着る
生きてることと
自由なことを
感謝したい
映像も綺麗
春に観たい
早く誰かに薦めたい
涙が止まらず
皆さんの演技が本当に自然で、素晴らしかったです。
桜の木、草花、生き物、風の音、すべてが美しく感じられました。普段の生活で耳を澄ませることなんてなくて、自然と会話することなんてなくて、感性も鈍ってきてる。もっと自然の声に耳を澄ませる時間を作りたいと思った。
徳江さんのあん作りがとても丁寧で、優しくて、見ていても心地よさを感じました。
ハンセン病、大学の授業で少し習ったほどで恥ずかしながら詳しくはは知りませんでした。皆、中途半端な知識だからこそ噂話を鵜呑みにしてしまう。差別がなくならないのはその部分なのかな。相手を思いやる気持ちがあればその知識の部分を埋めようとするはずだけど、それが簡単ではないのかな。
徳江さんの人生の重み、想像できないほど大変なことの連続で、子どもさえ生むことを許されなかった、荷物はすべて処分された、たとえ大切なものだとしても。自由なんてなかったんだろうな。
最後のシーン、「どらやきいかがすか」と声をだすシーン、希望がある終わりかたでよかったです
人生は声を聞くだけで生きてる意味がある
この言葉が頭に残っています
ひとことひとこと、そして言葉の間にズシッと重みを感じました。
美しい日本の映画
背景にハンセン病があるとは知らなかった。この病気の過酷な歴史は他の小説などでも読んだことがあるが、この映画では樹木希林を通して語られる。静寂に終始包まれたような情景の背景には、筆舌に尽くしがたい過酷な人生を背負った人たちの物語があった。タバコ、酒はいかがなものか、と気にはなったが、深い美しい日本の映画だ。
泣けてしまった…
あんを作りながらの会話…
湯気の香りが変わってきた
おもてなしだから
豆よ、せっかく畑から来てくれたのだから
いきなり煮たら失礼でしょ
先ずは蜜に馴染んで貰わないとね
お見合いみたいなもんよ
あとは若いもん2人でどうぞ、と
女学生が読んだ本に書かれていたのは…
私たちも陽の当たる社会で生きたい
徳江さんからの手紙…
小豆が見てきた雨の日や晴れの日を想像することです。
小豆の話を聞く。この世にあるものは全て言葉を持っていると信じています。
日差しや風に対してでさえ、耳を澄ますこと
こちらに非はないつもりで生きていても世間の無理解に押しつぶされてしまうときもある。
守ってあげられなかったと泣く店長。
自分の息子のように接する徳江さんの言葉
授かったのに産むことを許されなかった
あーもしも私に子供がいたら、店長さんぐらいの年齢になってるんだろうな
貴方の目が、とても悲しそうだった
何にそんなに悲しんでいるのと聞きたくなるような眼差し、それはかつての私の目です。
垣根の外に出られないと覚悟したときの私の目でした。
私たちは、この世を見るために聞くために生まれてきた
だとすれば、なにかになれなくても私たちには生きる意味があるのよ。
今年見た中でナンバーワンの映画かもしれません。
素晴らしい
できるだけ多くの日本人に「あん」という映画を見て欲しい…そう思いました。
見終わった後に色々と考えさせられました。
下らない映画が多い最近の邦画で「あん」の様な素晴らしい作品に出会えて嬉しかったです。
ドキュメンタリー畑出身の監督ならではのキャメラアングル
予定調和なストーリーだが、囲いから抜けられない人生を送ってきた人間同士がどら焼き屋の狭い店内で一種の擬似的な母子関係のような邂逅を結ぶとゆう構図がいい。
樹木希林の演技に賞賛の目が集まるのは当然だが、それを引き立てる側の永瀬正敏の存在感が圧倒的。
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