劇場公開日 2015年8月8日

  • 予告編を見る

「現代劇風の作風にはちょっと違和感が」日本のいちばん長い日 tzneo2012さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0現代劇風の作風にはちょっと違和感が

2015年9月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 「一番長い日」というのは8月14日から15日の正午の玉音放送までの24時間の日本の運命を変えた一日のドラマが描かれたものと解釈しているが、この映画は、敗戦を決意し天皇の肉声による玉音放送盤を録音するところから反乱軍から守り抜き放送に至った部分がやけにあっさりしすぎている。それに比べ、15日明けの切腹シーンを含めて阿南家の部分は蛇足でビデオだったら早送りしたいと思うシーンが多くて、フォーカスの当て方が期待外れだった。
ホームドラマ目線ならばテレビでやってくれれば良いが、お金払って見に行くほどの価値があるかは良くわからない。
将校たちが今どきのプロスポーツの物語的にしか思えない。
もっとヤクザ映画的なギラギラ感がタメの演技があっても面白かったと思う。
あと、字幕で肩書・名称の説明が一切無いのであらかじめ基本知識を入れておかないと置いてきぼりにされると思う。

しばらくたってふと思ったのは、現代の日本で、憲法9条があるから平和を保てると声高に叫びデモを行う若者と、その真逆である戦前の神国日本。
神風神話を唱えた当時の若い将校と何かベクトルが同じに思えてきた。
要するに海外の情勢、趨勢を客観的に見ることなく、これこそが唯一の灯台の灯と思いこんで突き進む視野狭窄に陥った人らのことで、それが日本国民の習性なのかもしれない。

tz