劇場公開日 2015年8月8日

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「終わらせることの難しさ」日本のいちばん長い日 スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0終わらせることの難しさ

2015年8月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

終戦から今年で70年、正直苦手分野の映画ではありましたが、今見ておくべき映画だなと感じました。
戦争体験者が少なくなってきている昨今、こうやって映画でいかにして現在の平和な時代が作られたのか、まあ事実じゃない部分や製作者の感情的な部分も多少入っているとは思いますが、歴史を知ることは本当に大切なことだと思います。
安保法案の改正で揺れる今の日本だけに、尚更ね・・・。

まあ面白い映画かと問われれば、戦場のシーンがある訳でも無いし、庶民の視点が反映されている訳でもない、物凄く堅苦しい政治ドラマですので、面白いとは言い難い映画でしたが、いかにして終戦を迎えたのか、その道のりはとても見応えがあって、結果は分かっていても終始見入ってしまいましたね。

今の時代と違って皆日本の行く末を思う気持ちは熱い、けど、方向性はそれぞれ違う、それをまとめ上げる事の大変さをヒシヒシと痛感しました。
そんな中でも、昭和天皇は終始終戦を望まれていた事実、自分の身よりも民を思う気持ちが強かったことに、感動を覚えました!
演じた本木雅弘の柔らかい演技、苦悩・葛藤する様子も物凄く印象に残りましたね。

また、昭和天皇、鈴木総理、阿南陸軍大臣の強い絆も印象深く、平和へ導く上でとても重要な要素だったことは勉強になりました。
しかし原爆が投下される前に上手く終戦へ導くことが出来なかったものか、そこは悔やまれてなりませんね。
過去の過ちを繰り返さぬよう、平和な日本が続くことを願いたいものです。

スペランカー