杉原千畝 スギハラチウネのレビュー・感想・評価
全106件中、61~80件目を表示
自分にとって正しい道を
第二次世界大戦下で外交官として異国の地で日本の為に尽力した杉原千畝。私自身、彼の名とユダヤ難民を救ったという話に聞き覚えがあったという程度で、彼の功績をきちんと理解していなかったが、戦争を知らない1人としては、戦後70年の時期にこの作品と出会えたことは非常に意義があったように思う。
少し説明不足な点もあったので、当時の情勢などを知っている方が話を掴みやすいとは思うが、歴史に興味がない方でも、杉原知畝という人物を通して当時の各国の状況や戦争の残酷さなどに触れることが出来るだろう。
特に小雪さん演じる杉原千畝の妻が、古くの日本人妻のイメージとぴったりと重なっていて、多くは語らずとも千畝をそっと支える様子がとても感動的でした。
グローバルな日本人
とても心が温まる。私の考えであるが、日本人は言葉の壁そして心の壁をどうしても周囲の人々の間に作ってしまう。この為個人的な好き嫌いがとても激しくとても狭い世界の住人になってしまう。戦中の日本人は有無を言わさず国家間の競争で、今とは違うがとても厳しいが不思議なグローバル環境に投げ出されていた。このあたりがとても上手く描かれる。監督、言語そして撮影地など国際色が反映されているからであろう。反面このバランスが嫌いな鑑賞者もいるに違いない。映画の好き嫌いがこの辺で分かれる映画でもある。また、杉原千畝氏のような国際人が私の郷里でもある岐阜の片田舎から出ているのにも嬉しい驚きである。学費のためか満州のハルピン学園を卒業。当時の外務省では冷ややかな目で見られがちなノンキャリアの語学エクスパートとして汚いスパイまがいな仕事をさせられるが活躍した。しかし組織では誰もこの活躍をあまり功績としては認めたくない。この階級制が色濃く、後見人もいなかった組織で喘ぐ。その中で普通では出来ない素晴らしいが組織に楯突く決断が出来た。この運命の皮肉さに感銘する。と同時に色んな事を考えることができるとても面白い映画になっている。さらに、真っ当な生き方を熱演した唐沢さんのみならず小雪さんのどこか洒落た奥さんも魅力的でした。外国の俳優さんも伝わるように上手く熱演していました。
時代は車輪
感動するかもしれないが、なんとなくストーリーが予想できる。との理由で観るかどうかまよっていましたが、鑑賞。
観て良かったです。
戦争映画という程派手な戦闘シーンも無くアクションも無く淡々と進みます。
情けは人の為ならず…。映画〝海難〟もそうですが、日本は先人達の行いによって多くの国から親しまれています。(負の行いによって嫌われている側面もありますが…)
目先の利益に囚われず人として正しい事をを勇気を持って行う事の大切さを改めて感じました。
人種、国籍に関係なく争いのない世界になればよいですね。
「杉原千畝」を観て
外交官「杉原千畝」の一生を観た。リトアニア領事館でユダヤ難民に大量のビザ発給を行い、日本経由で難民を救った。70年以上経った現在も何も問題は変わっていない。シリア難民は欧州だけの問題ではない。世界中でどうにか受け入れなければ・・今の日本の政治家や外交官でこの問題に取り組んでいる人はいないだろう。
本来のテーマからそれているような?
この話は何度となくテレビ ドキュメントで放映されたがスパイの存在ユダヤ救済以外の事はほとんど紹介されていない 映画と言うことでかなりオリジナルや過大の創作もあったような 人間ドラマよりも歴史的サスペンス劇場 本来の人間千畝の感動を期待していた人は的を外れた様な?!
頭脳明晰な人
私だけでなく誰でも知っている「杉原千畝」と思い見たのですが、鑑賞後に見て本当に良かったと!小さい頃から成績優秀だったが、やはり先見の眼もあり鋭い。そして間違った道へは行かない。この人の生き方を見ていてはっきりわかった事、それは、幾ら大きくて強い組織で力を横暴に振り回しても、間違った方向性のものなら必ずいつかは滅びる。いつも冷静に私情を挟まず私利私欲に走らず生きれば、結果本人が望もうとそうでなかろうと大成を成し遂げるし又人からの信頼をも得ると。今の時代にも通じますね。そして、この人の奥様も素晴らしい。今の日本に比べて、平和でなかった当時の外務省役人に付いて行った奥様は覚悟も必要でどれだけ大変だったかと思えば、同じ女性の眼からみて尊敬畏怖の人です。最近読んだ本の中で著者が言うには「日本は年が上ならどんな人でも敬われ、逆に有能なのに若いという理由で(しかも大して地位も無いから)意見を聞いてもらえないのは残念な限り」と。関東軍やヒトラーの行く先が見えていたこの人の意見をもっと日本政府が聞いていたら敗戦はなかっただろうにと、この映画では見せています。劇場には予想以上に若い人達が多くて嬉しかったです。逆に、もし年配者は日本政府を批判されているようで嫌で少なかったなら高齢者が増える時代に寧ろ危機感さえ感じます。私も含め年をとっても頭を柔らかくシャープに感性を保てれば嬉しいです。
自分への情けなさに覆われた。 世界を変えたい男がとった行動は、目の...
自分への情けなさに覆われた。
世界を変えたい男がとった行動は、目の前の困った人を世界から救うことだった。
自分は何かしてこれただろうか、この世界にヒビを入れただろうか。
日本人の誇りかな、
史実に基づく本当に見応えのある映画である。実際の歴史とのかかわりもわかりやすい。一人の外交官が自分の職をかけてまで行った行為を外務省はその経歴から消し去り、救われたユダヤ人からの評価によって見直すなんてのは、、まさに、外圧に屈してしまうyわい日本そのもの。ひとつ物足りなかったのは杉原のビザを発給しよう、というときの気持ちの変化、その辺を掘り下げてほしかった。もっと深い事実があるはず、、、
映画で拍手、スタンディングオベーション
映画館で上映後に拍手が起こったり、スタンディングオベーションをしてる方をはじめてみました。
が、拍手したくなるのもわかる出来栄えでした。
思ってたよりテンポも良く、観やすかった。
もっとユダヤ人迫害のことなんかを勉強して観ればよかったと少し後悔。
「杉原千畝」を観て・・
「杉原千畝」を観た。外交官であった主人公は日本政府の方針に逆らい2000人以上のユダヤ難民にビザ発給を行った。ユダヤ難民の姿が今のシリア難民に繋がり、あれから70年以上経っても世界の様子が変わっていないと思うと涙が出てきた。またナチス・ドイツが犯したユダヤ人に対する600万人以上の虐殺行為が日独伊三国同盟を結んだ日本も遠い欧州の歴史だと片付けてはいけないと感じた。杉原千畝は、日本が第二次世界対戦に突き進んで敗戦した歴史から、戦後は外交官から小さな貿易会社の会社員に転じたようだ・・
折に触れて
折に触れて歴史を振り返り、犠牲になった方々や力を尽くした方々に感謝し、自分達の今を見つめ直す必要があると思いました。
唐沢良明は凄い俳優さんですね。
英語はかなり勉強されたのではないでしょうか。
いつもキャラが似てはいますが、あの唐沢さんを欲してしまうので満足(笑)
ただ、奥さん役の小雪はいただけませんでした。
他の映画でもこの2人はかなり夫婦役をやってますね。食傷気味と言いますか。。
小雪は美しいけれど、実際の杉原婦人は、美しいだけではなくもっと強くて大らかだったのではと思い。その辺りが表現できる女優さんは他に誰が良かったかなぁ、、、なんて考えるのも楽しかったですが。
杉原千畝
淡々と物語が紡がれていきます
ドラマチックなシーンは少ないので盛り上がりには欠けますが、その分、杉原千畝の功績が引き立つのかもしれません
海外での高い評価に比べ、日本ではまだまだ知られていない杉原千畝…この映画で若い人たちにも受け継がれていくと良いと思います
日本人は彼をもっと誇りに思うべきです
改めて勇気ある決断に大感動!そして戦後日本外交の大きな損失。
杉原千畝さんを初めて知ったのは、もうかなり前、関口宏さんの番組「知ってるつもり」。日本版シンドラーと紹介され、なんという勇気ある決断に、こんな日本人がいたのかと驚きと感動したのを今も覚えている。
外国の切手の肖像画に使われたり、外国のある通りの名前に使われた日本人はいるのだろうか、杉原さん以外にあまり聞いたことがない。
杉原千畝さんを演じる唐沢寿明さんが素晴らしかった。
また、あの再開のシーンは、目頭が熱くなってしまった。
ユダヤ難民を助ける上で、杉原さんが、最大のキーマンであるのは言うまでもないのだが、尺こそ短いが、本編でも登場する
二階堂智さん演じるウラジオストク総領事代理の根井三郎さんと、濱田岳さん演じる大迫辰雄さんの二人の日本人や、本土に着いてからも、杉原さんが発給したビザが引き継がれたことも忘れてはならない。
根井総領事代理が口ずさむ。
「人のお世話にならぬよう、人のお世話をするよう、そして、報いを求めぬよう」
後藤新平さんが制定した、杉原さん、根井さんの出身校でもあるハルピン学院のモットー。
同じ出身校の二人が・・・、なんという偶然なのだろうかと感動させられた。
根井さんにしてみても、直接、言葉でのやりとりがなくとも、旧知の杉原さんが発給したビザが、どういうものか、または、どういう思いなのか、全てを物語っていたのだろう。彼が乗船許可を出すのも、これまた、勇気ある決断だと思う。
また、本編を拝見して驚かされたのが、
杉原さんのインテリジェンス・オフィサーとしての情報収集能力と分析力。
確か、小日向文世さん演じるドイツ大使とのあるやりとりで、ことごとく、日本のこれからの起こるであろう出来事をズバリ推察していた所など、極めて優秀だったことが伺える。
こうした現場の優秀な外交官を持ちながら、処理、判断できない軍部による政府が、当時の最大の不幸だったかもしれない。
日本をより良い国にしたいと思う気持ちは、戦中だけでなく、戦後もあったと思う。だが、形は外務省を依願退職のようだが、本編でも助かったユダヤ人が、外務省に杉原さんを訪ねてきたときの役人の対応ぶりでも分かるとおり、ビザ発給の責任をとって辞めさせられたに違いない。あの冷遇ぶりは、人として腹立たしい限りだが、杉原さんのような外交官を失ったことは、日本外交の大きな損失ではなかろうか。
何故ならば、彼の優秀な外交能力は、占領された今後の日本の行く末、東西冷戦時の重要な外交交渉などに、遺憾なく発揮されたのでないかと思うからだ。
タラレバの仮定のことを言っても始まらないのだが・・、本編とは関係ない所ではあるが、なんか残念な気持ちになってしまったのも事実である。
杉原千畝が息子に尋ねるシーンがある。「次はどこの国に行きたい?」
土曜日の1回目で劇場はゆったりとしている。
客入りは30人くらいだろうか。
序盤で、唐沢寿明(杉原千畝)が妻になる小雪(杉原幸子)と出会うシーンがある。
小雪(杉原幸子)の兄はなぜか、板尾創路である。
「日本のシンドラー」とも呼ばれた外交官・杉原千畝の10数年を描いている。
杉原千畝が日本政府を騙してでもユダヤ人を救おうとしたことを淡々と描く。
映画の舞台は満州国からリトアニア、ドイツ、、最後はロシアにまで及ぶ。
上映時間は139分と長い。
ストーリーは起伏に欠ける。
しかし眠くなったり、つまらないということはない。
ドラマチックなシーンは数箇所。
個人的には、
杉原千畝の旧知でウラジオストックの日本領事であった根井三郎とユダヤ人の会話のシーン。
ユダヤ人たちを乗せた日本の船・天草丸が駿河湾の沖にたとりついたシーン。
杉原千畝が最後に自分の息子に尋ねるシーンがある。
「次はどこの国に行きたい?」
答える息子。
「日本。
行ったことないから」
満足度は5点満点で3点☆☆☆です。
内容は素晴らしいが、タイトルに違和感
杉原千畝という外交官の半生を辿りつつ、第二次世界対戦前後の世界を描いた作品。
とても個人的なようで、実は普遍的なスケールが大きい映画だと思いました。
そのバランスが良く、あの時代の空気がリアルに感じられた気がします。
唯一の違和感は、タイトル。。
彼の名誉回復という意味もあるのでしょうし、確かに杉原千畝さんの映画ですが、もうちょっと何かなかったのでしょうか。。。
個人的には政治とカネの匂いすら感じます。
杉原さんを知らない若者にこそ見てもらうべきだと思うのですが、彼らを遠ざけるタイトルかと。
もっと魅力的なタイトルなかったんでしょうかね。
とはいえ、役者も素晴らしく、良い映画でした!!
色々考えさせられる。
戦争に突入していく時代、そして戦中戦後という時代背景に、本人に課せられた任務をどこまでどの程度までやるべきかという苦悩。しかし人間としての良心を選び、任務から逸脱することを選ぶ。一方で任務を課した人は、立場が違うがために、結果として間違えてしまう。
それぞれの立場が違うから、誰が間違っているなんて軽々しく言えない。この千畝さんも多くの命を救い、人間として評価されるべきことをした。それは間違いない。でもその時代、違う立場からみたらいけないことだと言う人もいるはず。今の平和な時代だから美談なのかも。
自分も同じ状況なら同じように多くの人を救いたい。だけどあの時代に(今の時代でも)、同じことができるだろうか…。
誰にでもできることじゃないから、歴史に残るんですけど。
そんなことを考えさせられた、難しい映画でした。
全106件中、61~80件目を表示