劇場公開日 2015年12月5日

  • 予告編を見る

「風潮のソフト右翼プロパガンダか。」杉原千畝 スギハラチウネ 好きこそモノのヘタレなれさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5風潮のソフト右翼プロパガンダか。

戦後70年で作られる映画がコレ?と開いた口が塞がらない一本。

杉原千畝という人は、今の一般にはそんなにマイナーな方だったのだろうか。

冒頭のポンコツ007ごっこから激しく萎える。
本作では氏の顔は一切描かれていない。
いや、描こうとすらしていないのではないだろうか。
むしろ場当たりな無責任者にしか見えないのは、酷くはないか。
唐沢寿明氏がドヤ顔でキメればキメるほど、うすら寒くなる作劇の不思議。
本作では結局、千畝氏のケツを拭いてユダヤ難民の命を救ったのは駐ソ大使役の方だったという結論なんだよね?

唐沢寿明氏が全篇に渡り英語を頑張っているが。
だったら徹底して細部までこだわろうよ。
なんで都合よくみんな揃って英語で話を進めるんだよ?

そしてもう一つの引っ掛かりが。
般若、素、不機嫌の3パターンしか表情のない小雪氏の過剰なフィーチャー。
作品の中では大してなんの役割も果たしていないのに、出て来ては話の流れを邪魔するのは事務所力なのだろうか。

ともあれ。
子供の頃に見て涙した、テレビドキュメンタリーの方が百倍マシだった作品。
今の時代に意にそぐわぬ姿を伝えた事を故人に謝るべきだと思う。

コメントする
レビューも書かない阿呆からのフォローは迷惑千万、好きこそモノのヘタレなれ