劇場公開日 2015年3月14日

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「皮肉たっぷりの大人向け童話」イントゥ・ザ・ウッズ ままま!んこさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0皮肉たっぷりの大人向け童話

2020年1月15日
PCから投稿

作品を見る前にレビューをチラっと見たら、ボロクソに叩かれていたのでどんなに悪いものかと思って鑑賞したけど、個人的にはすごく好きな話だった。
シンデレラ+赤ずきん+ジャックと豆の木+ラプンツェルをミックスした作品。
それぞれの作品をうまく混ぜた結果、ラプンツェルには兄がいたりガラスじゃなくて金の靴だったりめちゃくちゃな部分があるがそこは気にしない。
ただこの話はそれぞれの物語の幸せに描かれた部分を集めたわけじゃなくて教訓として描かれたことを混ぜ合わせたので人間味に溢れた悪い部分が協調されていてドロドロしてみていて楽しい。死ぬ奴は死ぬ、って感じでこれぞ童話だなあって印象だった。童話の根本は教訓として描かれたバッドエンドだから、多分、童話=王子様と結ばれる幸せな話って考えてる人だと「は?」ってなると思う(笑)あとはミュージカルが好きじゃないと見れないし、ハッピーエンドが好きな人は前半で終わりにしたら良いと思う。

主に前半後半に分かれていて、会話は基本ミュージカルで進む。
前半は魔女の呪いによって子どもが埋めない夫婦が
①シンデレラの金色の靴、②赤ずきんの頭巾、③ジャックが飼ってる白い牛、④ラプンツェルの金色の髪
を集めるために森の中へ冒険しに行くって話なんだけど、この夫婦が良い奴なのか悪い奴なのかよく分からなかった。純粋に応援したかったけど、襲ったり、子どもを騙したり・・・ラプンツェルの髪の毛を無理やりちぎったところはマジで盗人そのものだった。
それにスピリチュアル的に考えてもこの夫婦に子どもはいらないと思うし・・・てか育児放棄してるし。まあこの夫婦の結末は後半でガラっと変わるからそれが良い。

後半はもうシンデレラとか赤ずきんとかそういう役割がなくて1人の女性・少女・男性・少年のようになってるから見なくても良い。
前半に描かれたそれぞれのハッピーエンドがどんどん崩れていって、正直賛否両論分かれる展開。ハッピーエンドで終わらせるわけないじゃんっていうのが最高にロックで好き。
ただやっぱり童話の登場人物としての役割は残してほしかった。静かに消えたラプンツェル・・・。

歌声もルックスもみんな綺麗なので全然飽きないし、BGMもディズニーランドにいるかのような感覚を味わえる素晴らしい音楽でだった。アナ・ケンドリックの歌声は流石だった。
In to the woods~ずっと頭に残ってる。

童話=教訓であるだけに、ブラックジョークとしていかに笑いにするかがこの作品の教訓なのかもしれない(笑)ハッピーエンド大好きディズニー脳の童話厨には好かない作品です(皮肉)

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ままま!んこ