「絡まった糸が全て繋がり、ピースがビシッとハマる快感。」マイ・ファニー・レディ　好きこそモノのヘタレなれさんの映画レビュー（感想・評価）

近ごろ見なくなった、故に敢えて王道を行く凄さと知性が光る一本。

「グランドホテル」から連綿と受け継がれる群像劇だが、なかなかここまでビシッと最後までピースがハマるものには出会えない。
そういう意味で「運命じゃない人」以来の快感だった。
そこに「おとなのけんか」を思わせるような舞台劇風の演出に、品がありながらも下世話な会話も、絶妙なさじ加減。
「ラブ・アゲイン」よりも、ちょっと高級な感じ。

久しぶりながら錆びていない、ボグダノヴィッチ監督の腕は見事だった。

おとなの密かなお楽しみ、のような作品。
この作品の良さが観て解らなかったら、10年後にもう一度観返す事をオススメしたい。