草原の実験のレビュー・感想・評価
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衝撃的なラスト(?)より徹底的に台詞を排した演出を楽しむ
衝撃的なラストという謳い文句が付いているが、映画の中にキチンと判りやすい伏線も張っていて、それほど衝撃的ではなかったな。
でも、人によっては衝撃的なのかも。。。
それよりも、徹底的に台詞を排していて、俳優たちの微妙な表情や仕草、情景描写だけでドラマを積み立てていく本作品を観ると、極めて情感に訴えるものなのだと妙に感心した。
逆に言うと、台詞って理性に強く訴えるものなのなのかね。
こんな映画は初めて
初めての経験でした。
先ずはあまりの人の多さにびっくり。
セリフが無いと知らなかったのでびっくり。
しかし、これが親子とは少しミスキャスト!!
何やら微笑ましくも悲しい。
結局はもて遊ばれる人生。
良い映画なんですが、気を抜くと寝てしまいそうになるのが難点です。
文句のつけようがない
これはすごい映画だったわ。
出てくる画が全部きれいなの。次から次へと。
それで女優さんが凛として可愛い。
その可愛い女優さんの表情を、監督がきっちり拾ってる。
心の動きが表情で表現されてんの。
「いつ喋んのかなあ」と思ってると、ずっと喋らないんだけど、
それでもストーリーが解ってね。うまく表現できてんなあと思った。
それだけの映画でも楽しかったから、もういつスタッフロールでもいいやと思ってたんだけど、ラストにドカンとあったね。
なるほどなあと思った。これ言いたいためだけに、ここまでストーリーも表現も作り込んできたんだ。
文句なし。もう一度観たいわ。
少女が 大自然が 美しい ... そして 切ない
セリフ無しで描かれる少女の物語。観客の咳払いやため息、イスの座り直しの音さえも劇場内に響き渡ってしまうほどに、静かにゆったりと描かれます。少女を演じたエレーナ・アンさんをスクリーンで観たかっただけで観に行った作品ですので、大満足です。心しれた相手とは、言葉を交わさずとも、その佇まい、ふとしたしぐさや目や表情、行いだけで、口から出す言葉以上に多くを語りあえるということを、あえてのセリフ無しのシーンで描くことで魅せてくれたなあと感銘を受けました。登場する男性陣3人はシーンによって「アー!!」とか「ウッ!」とかの声は一部あるのですが、少女は最後まで一切声を発しません。少女はほんの数シーンの息の音のみです。ロシア映画ですがセリフが一切無いので字幕も無いため、スクリーンの映像と音に集中して見入ることができました。帰宅の道すがら劇場パンフレットを全部読んだのですが、劇中シーンの写真を見、また、あらためて、予告編映像を見て、ほほえましくほっこりしながらも、同時に切なくなります。人生ってこうなのかな。久しぶりに渋谷のシアター・イメージフォーラムに行きましたが、やはり、好きな映画館のひとつです。少女がその先にみたものーきっと美しいものに見えたんだろうなぁ…エンドロールが終わって劇場内が明るくなるまで私は立ち上がれませんでした。
映像美をつなぎとめるものの欠如
レビューにだまされた感が強い。
まるで「風が吹くとき」と同じテーマ。
ある程度の映像美は感じるのだが、その必然が映画の展開で見えてこない。
私たちはすでに見たことのある(イメージしたことのある)概念世界で映画を再評価しているにすぎない。
エンディングで太陽が昇りかけて沈んでいく映像を観て、「へ~、こんな見せ方するんだ!」と呆れてしまった。
最初っから最後まで、その路線で見せてくれたら良かったのにと思った。
タルコフスキーやマグリット・デュラスを想起して見に行って損しました。
映画を見る意味のひとつ
映像の美しさは作り手の確信に目眩を覚える程。そして、慎ましくも微笑ましいエピソードにじわりと纏う不穏の影への示唆。
うーん、久しくなかった己が身体の中の粒が泡立つかの感覚におそわれた、そんなだ。
そしてこれは、まるでキムギドクを真水に浸し天日干し後、タルコフスキーへのサクリファイス(供物)にする。そんな実験だと思った。
P・S ラストは現実の反映とか怖れなんてヤボは言わず、惑星メランコリアによる終末だとおもうよ。
意味に満ち溢れた世界
ロシア(旧ソ連邦の周辺地域を含む)?と思わせる広大な草原の一軒家に住む父娘。ここの美しい娘と近隣に住むアジア系と、どこからともなく流れ着いたロシア系の金髪の、二人の少年の三角関係と、核実験によって破壊されていく彼らの生活を、全編一切のセリフなしで描く。
少女役のエレーナ・アンが抜群に美しい。そして、言葉を排した演技でその恋する心情を豊かに表現している。少年たちと一緒にいる時にはあまり表情豊かではない彼女が、家にいるときにふと見せる笑顔が可愛いし、これによって彼女の恋が幸せなものであることがよく伝わってくる。
また、トラックを運転している少女が、バックミラー越しに金髪の少年を見つめるときの楽しそうな表情は、恋というものの素朴さを伝える。言葉を積み重ねて、所詮は独りよがりの恋慕を声高に語る恋愛劇がいかに空しいものかを、このシークエンスは観る者に饒舌に伝える。
我々人間の言語活動は、人の口から出てくる言葉、文字によって表される言葉に限定さるものではない。表情、しぐさ、生活習慣、道具、衣装など様々なものを記号化することでコミュニケーションが可能となる。このことを実証してみせる「実験」的な映画である。
そして、コミュニケーションは双方向性が必要であり、一方的なそれは暴力にしかならないことも映画は伝える。
父親を喪った少女の家に、親族一同で迎えに来たアジア系の少年のプロポーズは、あまりにも一方的で少女には受け入れがたい。そして、草原の一隅で暮らす者たちに何も知らせることなく行われる実験は、当事者が事態を確かめる時間を与えることなく、彼らの生活と生命を一瞬にして地上から消し去るのである。
エンドクレジットが流れる間の音楽が風変わりで、聞き入ってしまう。観客がいま目の前で喪われたものについて思いを巡らせる良い時間を与えてくれる。この音楽を含めて、最後まで意味に満ち溢れた映像である。
凄い作品です
台詞も説明的な部分も一切ない展開でありながら、その意図するところが明確であり、且つ、絵そのものが美しくそして力強く、完璧としか言いようがありません。
主演の女優もとにかく美しくて、終始画面に魅せられていました。
具体的な背景や登場人物の関係性など一切説明がないため、最後まで謎で終わってしまうところが多々あります。その謎めいたところがかえって神秘的なものを生み出して、現実世界をあたかも幻想的に創りきっていた気がします。
ただ結末が結末だけに、間違った格好良さを植え付けてしまうような危険性も感じました。
とはいえ、これほどまでに素晴らしい作品だとは想像だにしていませんでした。
邦題で駄目にした典型的な作品
明らかに邦題が、間違ってしまっている典型的な作品。「草原での実験」でなくて良かった。映画の題名に「…の実験」とつけば、あのことかな?となんとなく感づく人もいるはずです。しかも冒頭場面に現れる不安定に立っている机。作品の価値を大きく下げてしまっているようで、非常に残念。観客は、映画目当なのか、素人女優の美人目当なのか?????。上映する映画館は、映画目当の人間にあまりにも配慮がなさすぎ。内容は、非常に平坦な流れで、しかも映画全体、1回も台詞が出てこない。それに加えてたいして表情も動きもない演者達。やはり、最後はお決まりの「大空に…雲」。何も言えない。
美しいもの
ストーリーや印象については何も書きません。自分で観るべき映画だから。
セリフは1つもなく、BGMも少なめ。だからこそ演技力がだいじなんだけど、少年の一人の演技力が少々惜しかった…だけど、観ればわかる、感じる、様々な要素がすばらしかった。
しかしながら邦題が良くない…この映画をチョイスするのは何でも説明しなきゃわからない人じゃないだろうし、そういう人をターゲットにしていないだろうに…。
鮮烈でかけがえのない傑作
年の最後に、素晴らしい作品に出逢えました。WOWOWで一度放映された限りで、撮って置いたのをようやく観たのですが、ほんとうに観てよかったです。もっと多くの人に観てほしいですが、難しいそうですね。
映画好きの人ならきっと好きになると思う
WOWOWで観ました。
とにかく良かった。
本作が伝えたいこと、
言いたいことは1つ!
観れば分かる。
言葉ではないのだ。
そして自分で考えろということだ。
とにかくスゴい!
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