劇場公開日 2015年3月21日

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「16年31本目はITを(個人的に)越える悲しきピエロ・キラーの変貌を描く切ないスラッシャー・ホラー。」クラウン Aさんの映画レビュー(感想・評価)

4.016年31本目はITを(個人的に)越える悲しきピエロ・キラーの変貌を描く切ないスラッシャー・ホラー。

Aさん
2016年11月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

興奮

16年31本目はITを(個人的に)越える悲しきピエロ・キラーの変貌を描く切ないスラッシャー・ホラー。
15年3月公開らしいけど当時からずっと目をつけてました。やっと準新作が解けているのを発見するもずっとレンタル中でなかなか手が出せずやっとレンタル。そんだけ人気なんだなぁ。
ピエロといえばみんなのトラウマ・ペニーワイズで有名な"IT"を観たことがあるんだけど、そもそもピエロ恐怖症とまではいかないけど怖い存在だと思っていた自分からしたらあの超長大作をあまり気には入らなかったのであまりピエロホラーを漁ってはいませんでした。そんな私が今回"クラウン"を手に取ったのは、映画学生がフェイクで作った予告編に巨匠イーライロスの名前を入れたところ本人が気に入って本当に映画化しちゃったよという夢のある制作秘話があるところ。プロモーションもそのへんを重点的に行っていたっぽいですね。
ストーリーとしてはピエロの衣装着たらそれ呪われてて脱げんくなって子供中心の殺人鬼になっちゃったよって話。本人はまったく悪気が無いだけに全体的に切ない印象。ただ頭おかしい男が子供殺しますよ、ってスラッシャーじゃないんですね。
誕生日に息子を喜ばせる為にそのへんで適当に見つけ身にまとったピエロ衣装は呪われていた。服は脱げずメイクや赤鼻は取れずカツラはいつしか自毛と化してしまう。変貌するのは姿だけではなくいつしか中身まで悪魔に乗っ取られてしまい、子喰いピエロとなって街をさ迷い始める。ふたりめの子を身ごもっている嫁は夫を信じ助けようと奮闘、そして最愛の息子を守る為に戦う、、。
ホラーとしてもイカしてたんだけど演出が全体的にとっても良き。わたしの好きな長回しシーンが多々あったし美術的視覚的にも好感触。ストーリーも筋が通ってたし伏線もしっかり回収していてとっても良きでした。これを映画学校の生徒が原案考えたのか、、と思うと非常に感心。映像を学ぶ人間としては非常に奮い立つようなきもちになりました。
基本的にわたしは子供が嫌いなのだけども、ホラーやスラッシャーモノで子供が襲う側になることはあれど子供を襲う作品はあまり知らない(子供はいつも奇跡的に助かる)。今回は子供を狙うピエロが題材なだけに子供を相手にするシーンが多くて驚く。普通に死ぬ。可愛い男の子ばっかり死ぬ。せつない。
さすがイーライロス、を感じさせる良スラッシャーだったと思います。ラストカットもほほ〜って感じでした。

A