劇場公開日 2015年5月16日

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「とっても素敵な日本の映画」駆込み女と駆出し男 水月さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0とっても素敵な日本の映画

2015年5月23日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

笑える

楽しい

 様々な要素がギューッと詰まった大変楽しくお得な映画です(笑)

 耳慣れない言葉が多くて早口だから分からない部分もあったけど、大事な部分は分かったし、台詞を聴いていて楽しい!こういう映画、なかなかないですね。もっとあっていいのに。
 笑えるシーンも多かったなあ。馬鹿げた笑いじゃなくて、キャラクターが愛おしくなるような笑いになっているのが良かった。こういうのは気持ちが良い。
 駆込み女たちのエピソードには結構ハラハラしたり、驚きの結末のものもあったりして、こういう要素があると思わなかったので予想外に楽しかった。これは、結末が分かった上でもう一回観たくなります。
 スピード感のある台詞・場面と展開がある一方で、2年間ゆっくりと成長していくじょごの姿と、荘厳なお寺と自然の風景もとても心に残ります。この両方が味わえるところが良いですね。怒濤の展開で魅せる作品と、じっくりと紡ぐ物語、映画2本分(それ以上?)楽しんだように思います。

 脚本、監督、編集、演技など、技術的な面で素晴らしいところがたくさんあります。それに加え、お話の根底にある、人の心をじっと見つめる日本人らしい感性が、とても素敵だと思います。その辺りが原案の精神を引き継いでいるのでしょうか。井上ひさしさんの担当編集だった方が絶賛されたという話も聞きました。納得です。

 時代劇?大泉洋のコメディか?と食わず嫌いせずに、ひとりでも多くの方にこの素敵な日本映画を体験して欲しいなと思います。

水月