サイレンス(1998)

劇場公開日:

解説

世の中のすべての音を感じ取ることができる盲目の少年の姿を、静かなタッチで描くドラマ。監督・脚本は「りんご」のモフセン・マフマルバフ。出演はタハミネー・ノルマトワ、ナデレー・アブデラーイェワほか。

1998年製作/76分/イラン・フランス・タジキスタン合作
原題:Sokout/Le Silence
配給:ニューセレクト=アルバトロス
劇場公開日:2000年12月2日

ストーリー

盲目の少年コルシッドは、出征した父の帰りを待つ母との二人暮らし。生計のため、並外れた聴力を活かし調律師として働いていた。ある日、大家から5日以内に家賃を払わなければ家から追い出すと脅かされてしまう。親方からお金を借りようとするコルシッドだったが、度重なる遅刻が原因でクビになってしまう…。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

  • Khorshidタハミネー・ノルマトワ

  • Nadarehナデレー・アブデラーイェワ

  • Khorshid's Motherゴルビビ・ジアドラーイェワ

  • ハケム・ガッセム

  • アラズ・M・モハマドリ

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

4.0音楽は世界だ

2021年10月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 美しい音楽を奏でる人につられて、道に迷い、店をくびにされそうなホルシード。必死で彼を助けようとするナデレー。市場の雑踏と牧歌的な雰囲気とが交差しエキゾチックなコントラストを奏でるような映像と音楽。果たして美しい音楽を聞かせて大家さんは家賃の支払を待ってくれるのだろうかと物語は進む。

 パンや果物を売っている少女たちが綺麗。バスの中の女性もとても綺麗なのだ。もしや、この設定さえも盲目の少年が創りだした現実なのだろうか。そして、観ているうちに少年が感じる音の世界に入り込んでいってしまうのだ。金属鍋を鍛えている少年たちに「ボボボボーン」だと忠告し続けるこだわりは、ラストのベートーベン第5交響曲へと繋がり、民族楽器の音色にのめり込んでしまった。

 軽く反戦を訴えて、貧しくても美しい音楽に幸福を感じる独特な世界を表現した良質映画。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
kossy