劇場公開日 2015年11月7日

「もう邦画自体を観るのを止めるかも。」グラスホッパー 好きこそモノのヘタレなれさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5もう邦画自体を観るのを止めるかも。

伊坂作品の映画化はもう止めようよ、と思う一本。

観られるし、そこそこに楽しめるのが腐っても伊坂プロットだけれども。
それ以上もそれ以外も何もない。
むしろそれが今の邦画の、ダメなところの見本市になっているのは凄かった。

日本には俳優はいないのか?
(同じような役柄を見飽きた石橋蓮司氏、村上淳氏はもう登板禁止で)
客寄せだと思い込んで無理矢理芸無人を打ち込んだり、テンポを無視して見せ場を入れ込む脚本はどうなのか?
(菜々緒という人のおかげで、日本の黒社会がご近所レベルになってるよね?
組織1部門の端末の店長が、あんなど偉そうで拳銃、緊急時にもハンドバッグをフリフリ女走りなのには失笑。)
物語のテンポを折るアクションシーンは、世界的にも珍しいのでは?
誰よりも目立つ衣装&言動の殺し屋って、それで良しとする演出はどうなのか?
(前述村上氏の酷さ、真夏に皮コートの鯨の不自然さ、蝉の雨合羽の意味のなさ)

観られるレベルで纏まってはいるけれど、これでいいのか?

伊坂作品の魅力は、白の編み物だと思っている。
パッと見派手ではないけれど、手に取るとその編み込みの見事さ、巧みさ、複雑さに感嘆する、というような。
本作だけではないけれど。
映画化された伊坂作品は、どれもその巧みさを見せようとはせず、分かりやすくドバドバ色を付けようとするところが問題なんだろうな。
いや、すべての原作モノ邦画がそうかもしれない。

「伊坂作品映画化に(アヒルと鴨以外)名作無し」の疑いが確信に変わった作品。

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